メーカー系SIerとは|製品の系列が決める技術の射程
メーカー系SIerとは、コンピュータや通信機器などを製造するメーカーを親会社に持ち、その親会社の製品を含む案件を主に手がける会社の総称です。この分類がほかの2つと違うのは、資本と発注のほかに「製品」という3本目の線があることです。その線が、あなたが触る技術の系統と、仕事が続く時間の両方を規定します。
編集部は2026年9月1日に、「メーカー系sier」で実際に検索して上位10件を確認しました。そのうち見出しを取得できたのは8件で、合計439本(h1〜h4)。「40代」「40歳」を含む見出しは、そのなかに1本もありませんでした。
読み進めると、製品の線がどこまで技術を規定し、どこからは規定しないのかが分かります。最後には、企業名を1社も出さずに使える4つの質問が手元に残ります。なぜこの記事に企業の一覧も順位表も載っていないのかは、2つ目の章で先に説明します。
メーカー系SIerとは?機器メーカーを親会社に持ち、その製品を含む案件を手がける会社
メーカー系SIerとは、コンピュータ・通信機器・電機製品などを製造するメーカーを親会社に持ち、その親会社の製品を含む案件を主に手がける会社の総称です。読み方は「メーカーけいエスアイヤー」で、SIerはSystem Integrator(システムインテグレーター)の略にあたります。検索では長音を省いた「メーカ系SIer」という書き方も見かけますが、指す対象は変わりません。
この呼び名が示しているのは、親会社が自ら設計して売る製品を持っているということです。その製品が、子会社であるSIerの案件の中心に入ってきます。
| この呼び名が教えてくれること | 教えてくれないこと |
|---|---|
| 親会社が、自ら設計して売る製品を持っていること | 会社の規模 |
| その製品が案件の中心に入ってくること | 自社で働くか、顧客の現場で働くか |
| 技術の選択に製品側の都合が入りうること | 契約の形態と担当できる工程 |
| — | 給与の水準 |
SIerという言葉そのものが何を意味し、業界全体がどういう地図になっているかは、呼び名の範囲と業界地図をまとめた親記事にあります。分類の概説はそちらの担当で、本記事はメーカー系という1区分の深掘りに絞ります。
成り立ち:製造業の親会社と、情報サービス業の自社
親会社と自社は、産業分類の上では別の大分類に置かれます。編集部は2026年9月1日に、e-Statに掲載された日本標準産業分類(令和5年〔2023年〕7月改定)の分類ページを1つずつ開いて確かめました。
コンピュータや同附属装置を作る事業所は、大分類E「製造業」の中分類30「情報通信機械器具製造業」、小分類303「電子計算機・同附属装置製造業」に置かれます。一方、システムを受託して作る事業所は、大分類G「情報通信業」の中分類39「情報サービス業」、小分類391「ソフトウェア業」です。
注意点を1つ添えます。この分類が分けているのは事業所の経済活動であって、会社どうしの資本関係ではありません。分類ページの説明文は、いずれも「〜事業所」という書き方で終わっています。
なお、ここでいう「親会社」には会社法に定義があり、会社が名乗る系列と一致するとは限りません。条番号まで踏み込んだ整理は資本関係の定義を会社法の条文に当てた記事にあるため、本記事では繰り返しません。
メーカー系SIerの企業名を、この記事が1社も出さない理由
順位の付け方を、記事の中に書けないからです。編集部は各社の有価証券報告書などのデータをまだ取得しておらず、売上や年収を突き合わせて並べる根拠を示せません。根拠を示せない順位は、読者から見ればただの指名になります。
この線をどこに引いているかは編集方針で公開しています。個社の実名・売上・年収の序列は、有価証券報告書のデータを揃えるまで扱いません。
需要があることは把握しています。編集部が2026年9月1日にラッコキーワードで「メーカー系sier」に部分一致するキーワードを取得したところ、57語が返りました。このうち企業の一覧・順位・優劣を求める語だけを合計すると、月間370回になります(合計は編集部の算出です)。
| 序列を求める検索キーワード(表記は検索された形のまま) | 月間検索数 |
|---|---|
| メーカー系sier一覧 | 170 |
| メーカー系sierランキング | 140 |
| メーカー系sier 穴場 | 30 |
| メーカー系sier 大手 | 10 |
| メーカー系sier ホワイト | 10 |
| メーカー系sier 偏差値 | 10 |
| 合計 | 370 |
当サイトはこの370回に、企業名では応じません。代わりに渡すのは、製品の線を自分で数えるための質問です。
検索上位で何が並んでいるかを数えた
実測の内訳を並べます。数えたのは2026年9月1日で、見出しを取得できたのは上位10件のうち8件、合計439本(h1〜h4)でした。1位は本文・見出しとも取得できず、10位は動画で見出しが0本でした。
| 確認項目 | 結果 |
|---|---|
| 見出しの総数(8件・h1〜h4) | 439本 |
| 「40代」「40歳」を含む見出し | 0本 |
| 政府統計・公的調査の名称を含む見出し | 0本 |
| 法令名を含む見出し | 0本 |
| 「元請」を含む見出し | 0本 |
| 「下請」を含む見出し | 1本(1サイト) |
| 「商流」を含む見出し | 3本(1サイト) |
| 「親会社」を含む見出し | 15本(5サイト) |
| 「製品」を含む見出し | 4本(2サイト) |
| 見出しに個社名を出しているサイト | 10件中4件(うち1件は求人検索結果ページ) |
| 個社の順位表を見出しに持つサイト | 10件中3件 |
| 記事型7件の平均文字数 | 約13,438字(最短7,180字・最長23,444字) |
- 編集部調べ:2026年9月1日にラッコキーワードの見出し抽出機能で上位10ページの見出しを取得し、全件を目視で確認しました。平均文字数は記事型7件から編集部が算出した値で、求人検索結果ページ1件・動画1件・本文を取得できなかった1件は平均から除いています。読者の想定の分類は、編集部が各ページの内容から判断したものです
想定している読者もばらばらでした。新卒就活サイトが3件、中途転職者に向けた記事が3件、発注担当者に向けて書かれたシステム開発会社の自社メディアが1件、求人の検索結果ページが1件、動画が1件です。在職中の40代に向けて書かれた記事は、この10件には見当たりませんでした。
順位表を持つ3件が見出しに掲げている軸は、売上高・平均年収・営業利益・残業時間・有給日数・口コミ評価でした。どれも会社の平均を表す数字で、あなたが入るチームの数字ではありません。この違いは、記事の後半でもう一度扱います。
製品の線——資本と発注に続く3本目がある
メーカー系を読むときに編集部が最初に引くのは、資本でも発注でもない3本目の線です。資本の線と契約の線という2本の見方は、前の章でリンクした資本関係の記事で先に整理してあります。メーカー系にはそこへ、親会社が売っている製品という線が重なります。
資本の線と契約の線が「誰と結びついているか」を示すのに対して、製品の線は「何と結びついているか」を示します。この違いが、そのまま技術の話に直結します。
この3本目は、上位10件の見出しでは「製品」という語として4本(2サイト)しか現れませんでした(2026年9月1日・編集部実査)。「親会社」は15本(5サイト)出てくるのに、その親会社が何を売っているかまで降りた見出しは少ない、ということです。

公的な分類も、委託で作るソフトウェアと機器に組み込むソフトウェアを分けている
製品に紐づく開発と、顧客ごとの受託開発は、公的な分類の上でも別物として立てられています。編集部は2026年9月1日に、e-Statで日本標準産業分類(令和5年〔2023年〕7月改定)を確認しました。小分類391「ソフトウェア業」の下には、4つの細分類が置かれています。
| 細分類 | 名称 |
|---|---|
| 3911 | 受託開発ソフトウェア業 |
| 3912 | 組込みソフトウェア業 |
| 3913 | パッケージソフトウェア業 |
| 3914 | ゲームソフトウェア業 |
まず3911を見ます。分類ページに載っている説明の逐語は、次のとおりです。
顧客の委託により、電子計算機のプログラムの作成及びその作成に関して、調査、分析、助言など並びにこれらを一括して行う事業所(日本標準産業分類 細分類3911「受託開発ソフトウェア業」)
この細分類の内容例示には「システムインテグレーションサービス業」が挙がっています。SIerの本業が置かれているのは、この区分です。
続いて3912です。こちらの説明の逐語は、次のとおりです。
情報通信機械器具、輸送用機械器具、家庭用電気機械器具等に組み込まれ、機器の機能を実現するためのソフトウェアを作成する事業所(日本標準産業分類 細分類3912「組込みソフトウェア業」)
「機器の機能を実現するため」という目的が、説明そのものに書き込まれています。顧客の委託で作るのか、機器の機能を作るのかで、分類が分かれているということです。メーカー系のグループは、この2つとパッケージ(3913)が同じ資本の下に同居しうる位置にあります。
ただし、資本の系列ごとにこの3つの比率を集計した公的な統計は、編集部が確認した範囲では見当たりませんでした。確認したのは、日本標準産業分類の細分類ページ3911・3912・3913と小分類303です。あわせて総務省の分類改定の案内ページと、公正取引委員会の2022年の実態調査も見ています(いずれも2026年9月1日)。この範囲の外に該当する集計がある可能性は残ります。
案件の中に、モノの売買が混ざる
製品を含む案件では、システムを作る契約とは別の型の契約が同じ案件に入ってきます。編集部は2026年9月1日に、e-Gov法令検索で民法555条を原文で確認しました。同条は見出しを「売買」とし、次のように定めています。
売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。(民法555条)
機器を納めるという行為は、この条文が言う財産権の移転にあたりうるものです。ここから先は編集部の見立てですが、製品を含む案件では、作る仕事のほかに「選ぶ・組み合わせる・納める」という仕事の比重が入りやすくなります。
契約の型ごとに何がどう変わるかは請負と準委任と派遣を条文で対照した記事で扱っています。本記事が民法から引くのは555条だけで、請負や準委任の定義には踏み込みません。
※本セクションは一般的な制度の説明です。個別の契約がどの型にあたるかの判断は、専門家または公的機関に確認してください。
製品のライフサイクルが、仕事の量と種類を動かす
製品には売り始めと売り終わりがあり、それに合わせて必要な仕事の中身が変わります。発売の前後は作る仕事が中心になり、普及すると導入とつなぎ込みが増え、後半は保守と次の製品への移行が中心になります。編集部の見立てでは、メーカー系の仕事の内容は、あなたの都合ではなく製品の年齢のほうで動きます。
ここで1つ、業界全体の数字を置いておきます。公正取引委員会が2022年に公表した実態調査では、下請として扱うことの多い案件が集計されています。組込みソフトウェアを挙げた回答は10.3%、パッケージ・ソフトウェアを挙げた回答は9.8%でした(n=2,603)。この数字の読み方には、限定が3つあります。
- 調査の対象は資本金3億円以下の事業者で、メーカー系SIerだけを取り出した集計ではありません
- 割合はいずれも「受注側がそう回答した」数値です
- 設問の選択方式を編集部は確認していないため、2つの数字を足し合わせて「製品に紐づく案件の比率」とは書きません
読み取れるのは、製品に紐づく案件が下請の現場にも一定量流れている、という事実までです。製品の線は、メーカー系の中だけで完結しているわけではありません。
メーカー系で身につく技術は、どこまで持ち出せるか
技術は深く積めます。ただしその深さは、製品の系列の内側に寄る——これが編集部の見立てです。上位の記事が「強み」「メリット」「デメリット」として並べていた内容を、編集部の言葉で組み直します。
| 深く積めるもの | 社外へ持ち出しにくくなりうるもの |
|---|---|
| 製品の系列に沿った設計・構築・移行の手順 | その製品を使わない環境での設計の経験 |
| 大きな構成を長い期間にわたって面倒を見る経験 | 短い周期で作り替える経験 |
| 製品の癖を前提にした障害対応の勘所 | 技術そのものを自分で選んだ経験 |
| 製品を軸にした社内外の調整 | 製品の外側でも通じる言葉づかい |
- この整理は編集部によるもので、法律や公的機関による分類ではありません。どちらの列が厚くなるかは、会社ではなく配属先の案件が製品のどこに位置しているかで変わります
ここからは、40歳前後のあなたに向けて言い切ります。製品の系列に沿って積んだ技術の値段を決めるのは、あなたでも会社でもなく、その製品がまだ売れているかどうかです。製品の需要が伸びている時期なら、深さはそのまま値札(市場価値)になります。逆なら、深さは製品の外へ持ち出しにくい資産になります。
だから編集部は、メーカー系を検討する人に「何が積めるか」より先に「積んだものが製品の外でいくらになるか」を測ることを勧めます。測り方は質問4に置きました。
企業名を出さずに製品の線を数える4つの質問
4つとも、企業名を知らないまま聞けます。面談の場でも、いま在籍している自社に対しても、同じ問いが使えます。
| # | 質問 | 確かめる相手・場所 | 分かること |
|---|---|---|---|
| 1 | 案件の中心にある製品は誰の製品か | 面談での質問 | 親会社の製品か、他社の製品か |
| 2 | 製品のライフサイクルのどの段階か | 面談での質問 | 作る仕事か、保守と移行の仕事か |
| 3 | 製品の外側を触る時間はどれくらいあるか | 面談での質問 | 技術の選択がどこまで残っているか |
| 4 | いまの技術に社外でいくらの値が付くか | スカウトサービス | 持ち出せる資産の現在地 |

質問1:案件の中心にある製品は、誰の製品か
確かめるのは分類名ではなく、製品の持ち主です。同じ「メーカー系」でも、親会社の製品を扱うチームと、他社製品を組み合わせるチームでは、身につくものが変わります。
- 「この案件の中心にある製品は、親会社のものですか、他社のものですか」
- 「配属予定のチームでは、その比率はどうなりますか」
- 「直近3年で、その顔ぶれは変わりましたか」
効くのは3つ目です。扱う製品の顔ぶれが3年変わっていないチームは、この先も変わりにくいと編集部は見ています。
質問2:製品のライフサイクルの、どの段階の仕事か
質問は1つ、「その製品は、いま何年目ですか」です。同じ製品を扱う仕事でも、立ち上げの段階と保守の段階では、積み上がるものがまったく違います。
- 発売の前後——作る仕事が中心になりやすい
- 普及期——導入と構築、他システムとのつなぎ込みが増えやすい
- 後半——保守と、次の製品への移行が中心になりやすい
段階に優劣はありません。ただし、あなたが求めているものが立ち上げなら後半の案件は合いませんし、その逆も同じです。先に自分の軸を決めてから聞いてください。
自分がどちらへ動くべきかを決めきれていない場合は、動く向きを先に決めておくための判定を先に通してください。本記事は行き先の読み方を扱い、あちらは向きの決め方を扱います。
質問3:製品の外側を触る時間は、どれくらい残っているか
技術の選択がどこまで自分の側に残っているかを聞きます。製品が決まっていれば、使う道具も手順も先に決まります。そこに例外がどれだけあるかが、持ち出せる技術の量を左右します。
- 「その製品を使わない案件は、チームの中にどれくらいありますか」
- 「製品の外の技術を選べる場面は、設計のどこにありますか」
- 「その選択を、担当者の側から提案できる余地はありますか」
3つとも「ない」と返ってきた場合、それ自体が悪いわけではありません。ただし、その環境で積んだものを社外で説明するときには、製品の名前を外した言葉に翻訳する作業が必要になります。
質問4:いまの技術に、社外でいくらの値が付くかを測る
3つの質問で会社側を見終えたら、向きを自分に変えます。40代がこの分類を検討するとき、最後に効いてくる数字は自分側にあると編集部は考えます。
いま扱っている技術は、その製品の外でいくらになるのでしょうか。答えは想像では出ません。スカウトサービスに登録して、実際に届くものを見てください。転職の意思が固まっていなくても構いません。
進め方は製品に紐づく技術に社外でいくらの値が付くかを測る手順にまとめています。移ってから測ると、比べる相手がいなくなります。動く前の数字を1つ残しておいてください。
「メーカー系SIerはやめとけ」のどこまでが分類の話か
この見出しへの答えは「3つまで」です。メーカー系という分類そのものに帰せられるのは3点で、そこから先は業態への批判が混ざっています。切り分けずに読むと、分類と関係のない不満まで「メーカー系だから」に見えてしまいます。編集部が分類の話だと考える3点は、次のとおりです。
- 技術の系統が製品に規定される——使う道具と手順が、親会社の製品ラインに沿って決まりやすい
- 仕事の量と種類が、製品のライフサイクルで動く——サポートが終われば、その製品に紐づく仕事も形を変える
- 設計の自由度が、製品側の仕様に先取りされる——ゼロから決められる範囲が、製品の仕様の外側に限られやすい
この3点は、見る角度を変えれば強みの説明にもなります。製品という軸があるぶん、深く積める領域がはっきりしているとも言えるためです。
よく挙がる批判のうち、技術力が付かない・調整の仕事が増える・下請の階層で天井が低いといったものは、メーカー系だけの話ではありません。これらは業態そのものに向けられた批判で、公的なデータで確かめられるものと確かめられないものが混ざっています。その仕分けはSIerという働き先そのものへの否定論を検証した記事が引き受けています。
独立系・ユーザー系との比べ方
3つの分類は、親会社が何を売っているかで並べ替えると一度に整理できます。以下は編集部の整理であり、法律や公的機関による分類ではありません。
| 分類 | 親会社が売っているもの | 案件の中心に来るもの |
|---|---|---|
| メーカー系 | 自ら設計して売る機器・製品 | 親会社の製品を含む構成 |
| ユーザー系 | 親会社自身の事業(製造・金融・流通など) | 親会社グループのシステム |
| 独立系 | 親会社がいない | 自社の営業で取った案件と再委託 |
他の2分類がどういう働き方になるかは、それぞれの記事の担当にしてあります。外資系・コンサル系まで加えた全体像は5つの分類を横並びにした一覧と工程の配分にあります。親会社を持たない側については、この記事の前半でリンクした資本関係の記事が扱っています。
あなたの軸別に、どこを見ればいいか
分類名から結論は出ません。出るのは、あなたが何を最優先にするかを決めたあとです。軸別に書きます。
- 年収を最優先するなら:見るのは分類ではなく、配属予定のチームが製品のどの段階を担っているかです。立ち上げと大規模な移行は、担当できる工程が広がりやすい場面です
- 時間を最優先するなら:製品のサポート期限が近い案件では、外から来る締め切りが働き方を決めます。みなし残業の時間数と、直近の繁忙期の実態を面談で確かめてください
- 技術で積み直したいなら:質問3の答えがすべてです。製品の外側を触る時間がゼロなら、分類の議論を続けるより先に、その一点で判断できます
- 働く場所を最優先するなら:分類は就業場所を決めません。製品の導入は顧客の現場で行われることがあるため、配属予定の案件の就業場所を個別に聞いてください
値札は、どの軸を選んでも共通の原資になります。想像で足りるものではないので、実測してください。転職の意思が固まっていなくても、質問4から始められます。
書き手についても開示しておきます。編集部の運営メンバーはWebマーケティング領域が職種で、メーカー系SIerで働いた経験を持ちません。だからこの記事には現場の体験談が1つもなく、代わりに分類ページと条文を自分で開いて確かめた記録が入っています。
よくある質問
メーカー系SIerの大手はどこですか?
答えられません。企業名を並べるための材料を編集部が持っていないためです。有価証券報告書などのデータを揃えるまで、企業名を挙げて順番を付けることはしません。
補足を1つ置きます。規模の大きさは、あなたが入るチームがどの製品のどの段階を担っているかを教えてくれません。会社ではなく案件について聞いてください。
メーカー系SIerの穴場企業はありますか?
「穴場」という語が実際に何を求めているのかを、先にほどきます。編集部の見立てでは、この語の裏にあるのは「まだ人が殺到していないが、条件は悪くない会社」を探したいという要求です。
このうち条件の部分は、社名を知らなくても求人票と就業規則から読み取れます。一方、名前が知られていないことと働きやすいことは別の話です。社名を集める時間は、質問1から質問3に回したほうが実りがあります。
メーカー系SIerでホワイト企業は?
社名では答えられません。代わりに、「ホワイト」という語を確かめられる項目に置き換えます。編集部が2026年9月1日に確認した範囲では、この語はこの分類に関する質問文のなかでいちばん多く現れていました。
置き換える先は、みなし残業の時間数、直近の繁忙期の残業実績、有給の取得状況、副業の可否です。いずれも面談か就業規則で確かめられます。複数の口コミサイトで同じ指摘が長期間繰り返されている場合は、応募前に確認すべき論点として扱ってください。
メーカー系SIerとユーザー系SIerの違いは何ですか?
親会社が売っているものが、製品なのか、親会社自身の事業なのかという違いです。どちらも親会社を持つ点は同じで、案件の中心に来るものがそこで分かれます。
ただし、この比較を1本に詰めるとどちらも薄くなります。ユーザー系の中身は別の記事が引き受けているので、ここでは軸だけを置きます。
メーカー系SIerは客先常駐ですか?
分類からは決まりません。製品の導入や移行は顧客の現場で行われることがあり、そのときは常駐に近い働き方になります。
席が自社の外にあることで何が変わるのかは、席がどこにあるかで変わることを整理した記事が扱っています。資本の系列別に常駐の比率を出した集計は、編集部が確認した範囲では見つかりませんでした。
まとめ
- メーカー系SIerとは、コンピュータ・通信機器・電機製品などを製造するメーカーを親会社に持ち、その親会社の製品を含む案件を主に手がける会社の総称。読み方は「メーカーけいエスアイヤー」
- この分類には、資本の線と契約の線に加えて「製品」という3本目の線がある。技術の系統と仕事の時間軸を規定しているのは、この3本目
- 公的な分類も、顧客の委託で作るソフトウェア(細分類3911)と、機器に組み込まれ機器の機能を実現するソフトウェア(細分類3912)を別の区分として立てている(日本標準産業分類・令和5年7月改定。2026年9月1日にe-Statで確認)
- 製品を含む案件には、財産権を移す契約=売買(民法555条)が同じ案件に混ざりうる。作る仕事のほかに「選ぶ・組み合わせる・納める」の比重が入りやすい
- 確かめるのは4つの質問。①案件の中心にある製品は誰の製品か ②製品のライフサイクルのどの段階か ③製品の外側を触る時間はどれくらいあるか ④いまの技術に社外でいくらの値が付くか
- 当サイトはメーカー系SIerの企業名を出さない。順位を付ける根拠を記事の中に示せる材料を、編集部がまだ持っていないため
メーカー系という言葉は、あなたが誰と働くかまでは決めません。決まっているのは、あなたの技術が何に沿って伸びるかのほうです。その「何」がまだ売れている製品かどうかを、面談で1回確かめてください。
参考・出典
- e-Stat 政府統計の総合窓口 日本標準産業分類(令和5年〔2023年〕7月改定)細分類3911「受託開発ソフトウェア業」(大分類G 情報通信業/中分類39 情報サービス業/小分類391 ソフトウェア業。説明=「顧客の委託により、電子計算機のプログラムの作成及びその作成に関して、調査、分析、助言など並びにこれらを一括して行う事業所」。内容例示に「システムインテグレーションサービス業」を含む。2026年9月1日に編集部が原典で確認): https://www.e-stat.go.jp/classifications/terms/10/04/3911
- 同 細分類3912「組込みソフトウェア業」(説明=「情報通信機械器具、輸送用機械器具、家庭用電気機械器具等に組み込まれ、機器の機能を実現するためのソフトウェアを作成する事業所」。2026年9月1日に編集部が原典で確認): https://www.e-stat.go.jp/classifications/terms/10/04/3912
- 同 細分類3913「パッケージソフトウェア業」(本記事は名称のみを引用し、説明の逐語は引用していない。2026年9月1日確認): https://www.e-stat.go.jp/classifications/terms/10/04/3913
- 同 小分類303「電子計算機・同附属装置製造業」(大分類E 製造業/中分類30 情報通信機械器具製造業。2026年9月1日に編集部が原典で確認): https://www.e-stat.go.jp/classifications/terms/10/04/303
- 総務省「日本標準産業分類」(改定の案内ページ。2026年9月1日確認): https://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/sangyo/index.htm
- e-Gov法令検索 民法(555条。見出し「売買」。「売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。」本記事が民法から引くのはこの1条のみで、請負・準委任・契約不適合責任の条文には踏み込んでいない。2026年9月1日に編集部が原文で確認): https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- 公正取引委員会「ソフトウェア業の下請取引等に関する実態調査報告書」(2022年6月29日公表。本記事が引いたのは「下請として扱うことの多い案件」のうち組込みソフトウェア10.3%・パッケージ・ソフトウェア9.8%の2値〔n=2,603〕のみ。調査は下請法上の下請事業者となり得る資本金3億円以下の事業者2万1,000社に協力を依頼し4,739社が回答〔回答率22.6%〕。割合はいずれも受注側がそう回答した数値であり、メーカー系SIerだけを取り出した集計ではない): https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2022/jun/220629_sw_03.pdf
- 編集部調べ:「メーカー系sier」のGoogle検索上位10件の見出し確認(2026年9月1日。ラッコキーワードの見出し抽出機能で取得し目視で確認。見出しを取得できたのは8件で計439本〔1位は本文・見出しとも取得できず、10位は動画で見出し0本〕。「40代」「40歳」「政府統計・公的調査の名称」「法令名」「元請」を含む見出しはいずれも0本、「下請」1本〔1サイト〕、「商流」3本〔1サイト〕、「親会社」15本〔5サイト〕、「製品」4本〔2サイト〕。見出しに個社名を出しているサイト4件、個社の順位表を見出しに持つサイト3件。記事型7件の平均文字数 約13,438字〔最短7,180字・最長23,444字〕は編集部の算出で、求人検索結果ページ1件・動画1件・本文を取得できなかった1件は平均から除いた)
- 編集部調べ:「メーカー系sier」に部分一致するキーワード57語の月間検索数(2026年9月1日にラッコキーワードで取得。企業の一覧・順位・優劣を求める6語の合計370回は編集部の算出)
