Azure・AWS資格ロードマップ|段の意味は発行元で違う

ベンダー認定の段を上がる条件が、経験の年数と下の段の合格の2通りに分かれることを横並びで示した記事のアイキャッチ
テックスカウト編集部

「どの段まで取ればいいか」という問いは、発行元をまたいだ瞬間に答えられなくなります。段という区切りを、会社ごとに別の基準で決めているからです。

編集部が2026年9月8日に4社の公式ページを開いたところ、上に行く条件の書き方は2通りに割れていました。Google Cloudは推奨する期間を「6+ months」「3+ years」と数値で書き、前提条件の欄にはいずれも「None」と置いています。Microsoftは年・月の数値を書かない代わりに、上位の段に下の段の認定の取得を前提条件として課しています。

並べるのは、発行元が自分のページに置いた条件だけです。次に受ける1つを選ぶときに、どちらの条件を見ればいいかがそこで決まります。

段の呼び名は、発行元4社でそろっていません

ベンダー認定の段とは、その認定を出している会社が自社の認定群を区切るために自分で決めた区分のことです。区切り方を決める主体が各社である以上、会社をまたいで同じ意味になるとは限りません。発行元が4社そろえば、区切りの呼び名も4通りになります。

この表は、どの段が難しいかには答えません。並べたのは、会社が自分のページに置いている呼び名だけです。

発行元認定の区分として置かれている呼び名
Amazon Web Servicesビジネス認定/Foundational 認定/Associate 認定/Professional 認定/Specialty 認定
Microsoft認定の名称に Associate・Expert が入る。個別の認定ページの「Level」欄の表記は Intermediate
Google Cloud認定の名称に Associate・Professional が入る。入口にあたる Cloud Digital Leader の名称には、段を示す語が入っていない
CiscoEntry・Associate・Professional・Expert・Certificate・Specialist の6語が並ぶ(順序は書かない)

(各社の公式ページ。2026年9月8日に編集部が開き、同じ内容に別の聞き方を当てて2回ずつ読み取った。呼び名は各社が自分の判断で変えられる)

4社に共通しているのは Associate という語だけで、その上と下は一致していません。

同じ Associate でも、指しているものが同じとは限りません。MicrosoftのAzure Administrator Associateのページは、認定の名前に Associate を含みながら、ページ上部の「Level」欄には Intermediate と表示しています。同じページの中で、段を表す語が2つ並んでいるということです。

1つの発行元の中を縦に降りると、段ごとの前提や採点の設計まで見えます。その作業は発行元を1社に絞って縦に確かめた記事で済ませてあります。

段を1つ上がるのに何が要ると書いてあるかを、4社ぶん並べます

4社のうち、上に行く条件を経験の年数で書いている会社と、下の段の合格そのもので書いている会社がいます。見たのは、条件がどこに書かれているかと、そこに何が置かれているかです。

発行元上に行く条件として書かれているもの下位の認定の取得が前提条件になっているか
Amazon Web Services段の説明に経験の年数が現れる本記事では確認していない
Microsoft年・月の数値による経験の記載は見当たらなかったなっている(ExpertはAssociateの取得が必要)
Google CloudAssociate=6+ months、Professional=3+ years(いずれも Recommended experience 欄)。入口の Cloud Digital Leader には期間の数値がないNone(確認した3件とも)
Cisco確認できず確認できず

(各社の公式ページ。2026年9月8日に編集部が2回ずつ読み取った。「確認できず」は編集部が開いた範囲で記載を見つけられなかったという意味で、記載が無いという意味ではない)

AWSの年数については、数値まで降ろすと、推奨なのか受験の要件なのかという別の論点に入ります。本記事では、段の説明に経験の年数が現れるという事実までにとどめます。

Microsoftの側は、年数を書かない代わりに別の関門を置いています。Azure Solutions Architect Expertのページには、前提条件の欄に「Prerequisites:1 certification」と表示され、本文でその中身が名指しされています。

To become a Microsoft Certified: Azure Solutions Architect Expert, you must earn the Microsoft Certified: Azure Administrator Associate certification.

(編集部の訳:Microsoft Certified: Azure Solutions Architect Expert になるには、Microsoft Certified: Azure Administrator Associate の認定を取得しなければなりません。出典:Microsoft Learn「Microsoft Certified: Azure Solutions Architect Expert」/2026年9月8日に編集部が原文を確認)

年数は書かれていませんが、下の段を飛ばして上の段だけを受けることはできません。この設計では、受ける順番が発行元の側で先に固定されます。

ベンダー認定の段を上がる条件が、経験の年数を書く型と下の段の合格を条件にする型の2つに分かれることを示した模式図

年数を書く発行元は、下の段の合格を条件にしていませんでした

Google Cloudの3つのページは、前提条件の欄にいずれも None と書いています。上の段にあたる Professional Cloud Architect の Recommended experience 欄の記載は次のとおりです。

3+ years of industry experience including 1+ years designing and managing solutions using Google Cloud

(編集部の訳:Google Cloudを使った設計と運用の1年以上を含む、3年以上の業界での実務経験。出典:Google Cloud「Professional Cloud Architect」の Recommended experience 欄/2026年9月8日に編集部が原文を確認)

入口にあたる Cloud Digital Leader の Recommended experience は「Experience collaborating with technical professionals」で、年・月の数値は入っていません。Associate Cloud Engineer は「6+ months hands on experience with Google Cloud」です。期間の数値が入るのは、入口より上の2件だけでした。

4社を横に並べると、1つの対応が見えます。年数を書いている発行元は通行止めを置かず、通行止めを置いている発行元は年数を書いていません。これは編集部が4社を見た範囲での対応であり、法則として断定できるものではありません。

読者の側から見ると、詰まる場所が違います。年数で書かれている側は、受けること自体は今日からできて、詰まるのは受かったあとに何を説明できるかのほうです。認定の取得が条件になっている側は、受ける前の時点で止まります。

クラウドの構築や運用を担当した者は、編集部にいません。そのため材料は、発行元が自分のページに置いた条件と、それを2回読んで一致した部分に限られます。

Ciscoのページに並んでいた6つの区分名は、編集部が2回取り出したときに並び順が一致しませんでした。したがって本記事は、名前だけを挙げて順序は書きません。

段の高さは、発行元ごとに別の物差しで刻まれています。会社をまたいで比べたいなら、ベンダーをまたいでも同じ目盛りで読める物差しを別に持つことになります。

上位の解説でも、段を指す語は4つに割れていました

段を指す語は、上位20ページの見出し577件のなかで「レベル」11件・「階層」2件・「体系」2件・「段階」1件に分かれていました。「azure 資格ロードマップ」で2026年9月8日に上位へ並んでいた20ページから、h1からh4までの見出しを取り出して1件ずつ目視で数えた結果です。「レベル」という語を使わず、「初心者」「中級者」「上級」と括弧付きで書き分けるページもあります。公式の英語表記(Fundamentals・Associate・Expert・Specialty)をそのまま見出しに置くページも複数ありました。

本記事では、この4語がまとめて指しているものを「段」と書きます。語をそろえないまま比較すると、比べているものが同じかどうかを読者が確かめられなくなるためです。

同じ577件のうち、発行元が公表している推奨年数に触れた見出しは0件でした。経験の年数に触れた見出しは2件ありましたが、どちらも読者側の年数(経験年数別のルート、実務経験から逆算するルート)で、発行元が書いた側の年数ではありません。前提条件を扱った見出しは、よくある質問の1件だけでした。

同じ「資格」でも、国家試験の側は条件の決まり方が違います。実施の時期や申込みの上限から逆算する考え方は、実施時期が制度で決まっている試験の扱いにあります。

発行元が置いた条件の種類で、次に確かめることが変わります

あなたが次に受けようとしている段に、発行元がどちらの条件を置いているかを先に見てください。見る場所は、その認定のページの前提条件の欄と、推奨される経験の欄の2か所です。

  • 年数のほうが書かれているなら:受けること自体は止まりません。手を動かした期間が足りていない場合に困るのは、受かったあとに何を説明できるかのほうです。担当している工程を、その発行元が使っている言葉で先に書き出しておいてください
  • 下の段の合格が条件になっているなら:順番は発行元が決めています。上の段の学習を先に始めても、下の段に合格するまで申し込みの画面までたどり着けません。学習の開始日ではなく、下の段の受験日から逆算することになります
  • どちらも書かれていないなら:順番を決めるのはあなたの側です。この場合にかぎって、難しさや学習量で並べ替える意味が出てきます

どの段から始めても、積んだものが自分の値札(市場価値)に届くかどうかは別の話です。会社が区切った段の外側で値札がどう動くかは、ベンダーの外側にある値札の上げ方で扱っています。

発行元の権限は、自社の認定の中の高さで止まります。あなたにいくらの提示が来るかは別の相手が決めていて、その相手に会う経路は試験を出す側とは別の相手が値段を付けてくる経路にあります。

認定のページの前提条件の欄と推奨される経験の欄から、次に確かめることが3つに分かれることを示した模式図

よくある質問

AWSとAzureの資格は、どちらが難しいですか?

難しさの順位を、編集部は付けません。段の区切り方が発行元ごとに違うため、同じ物差しの上に載らないからです。

確かめられるのは、条件の書き方の違いまでです。Microsoftは上位の段に下の段の認定を条件として置き、AWSは段の説明に経験の年数を書いています。

国家資格とベンダー資格の違いは何ですか?

条件を誰が決めているかが違います。本記事が並べた4社は、段の区切りも、上がるのに何が要るかも、自分で決めて自社のページに書いています。

国家試験の側は、実施の時期も申込みの上限も制度で決まっていて、発行元の判断では動きません。その制約から逆算する手順は本記事では扱っていません。

ベンダー資格に有効期限はありますか?

期限のある認定は実在します。MicrosoftのAzure Administrator Associateのページには、Renewal Frequency の欄に「12 months」と表示されていました(2026年9月8日に編集部が確認)。

更新の手続きと、そこで発生する費用は本記事では扱っていません。中身は合格の先で発生する手続きと費用に置いてあります。

Azureの資格のレベルはいくつありますか?

数を1つに決められません。認定の名称には Associate と Expert が入り、個別の認定ページの「Level」欄には Intermediate と表示されます(2026年9月8日に編集部が確認)。

同じページの中で語彙が2種類走っているため、いくつあるかという問いに答えるには、どちらの語で数えるのかを先に決める必要があります。

AWSの資格を取る順番は、どう決めればいいですか?

発行元の中の順番と、発行元をまたぐ順番は別の問題です。1社の中の順番は、その会社が段ごとに書いた条件で決まります。

発行元をまたぐときは、順番の前に呼び名がそろっていないところから始まります。本記事の表は、その突き合わせを1枚で済ませるためのものです。

まとめ

  • 段は、発行元が自分で決めた区分です。区切り方を決める主体が各社である以上、会社をまたいで同じ意味になるとは限りません
  • 呼び名は4社でそろっていません。AWSは Foundational・Associate・Professional・Specialty の4区分に、ビジネス認定を加えた形です
  • Microsoftは名称に Associate・Expert、Google Cloudは名称に Associate・Professional を使っています。Ciscoは Entry・Associate・Professional・Expert・Certificate・Specialist の6語が並びます(順序は書きません)
  • 上がる条件の書き方は2通りに割れます。経験の年数で書く側と、下の段の合格を条件にする側です
  • Google Cloudは確認した3件とも Prerequisites が None でした。Recommended experience に期間の数値が入っていたのは、Associate(6+ months)と Professional(3+ years)の2件です(2026年9月8日に編集部が確認)
  • MicrosoftのExpertは、Associateの取得が前提条件です。年・月の数値による経験の記載は、編集部が開いた範囲では見当たりませんでした
  • Ciscoの前提条件と推奨される経験の年数は確認できませんでした。編集部が開いた範囲では見つけられなかったという意味で、記載が無いという意味ではありません
  • 上位20ページの見出し577件では、段を指す語が4つに割れていました(レベル11件・階層2件・体系2件・段階1件)
  • 4社の条件を1枚に写した紙が手元にあれば、次に誰かが「まず入門から」と言ってきたときに、その入門がどの発行元の入門かを聞き返せます

※本記事に出てくる段の呼び名・前提条件・推奨される経験は、いずれも各社が自分の判断で決めて自社のページに掲載しているものです。予告なく変わることがあり、変える権限は各社の側にあります。編集部が原文を開いたのは2026年9月8日です。

勤務先の補助制度を使う予定があるなら、社内の担当部署にも同じ条件を確認しておくと、あとで金額や日程がずれません。


参考・出典

  • Amazon Web Services「AWS 認定」(認定の一覧ページ)。認定のカテゴリの見出し=「ビジネス認定」「Foundational 認定」「Associate 認定」「Professional 認定」「Specialty 認定」/段の説明に経験の年数が現れる(年数の数値そのものは本記事では扱っていない)(2026年9月8日に編集部が原文を確認。1回目は見出しの列挙、2回目は特定の語がページに現れるかという別の問い方で読み取り、カテゴリの見出しが一致することを確かめた) https://aws.amazon.com/jp/certification/
  • Microsoft Learn「Microsoft Certified: Azure Administrator Associate」。「At a glance」の Level 欄=Intermediate/Renewal Frequency 欄=12 months/前提条件の記載なし/Overview の第1文=「As a candidate for this certification, you should have subject matter expertise in implementing, managing, and monitoring an organization's Microsoft Azure environment, including virtual networks, storage, compute, identity, security, and governance.」/年・月の数値による経験の記載は、編集部が開いた範囲では見当たらなかった(2026年9月8日に編集部が原文を確認。2回目は「1 year / 2 years / 3 years / months が現れるか」という別の問い方で照会し、一致を確かめた) https://learn.microsoft.com/en-us/credentials/certifications/azure-administrator/
  • Microsoft Learn「Microsoft Certified: Azure Solutions Architect Expert」。「Prerequisites:1 certification」/見出し「Certification prerequisites」の本文=「To become a Microsoft Certified: Azure Solutions Architect Expert, you must earn the Microsoft Certified: Azure Administrator Associate certification.」/年・月の数値による経験の記載は見当たらなかった(表現は「advanced experience」までで、期間の数値はない)(2026年9月8日に編集部が原文を確認。上と同じく2つの問い方で読み取り、一致を確かめた) https://learn.microsoft.com/en-us/credentials/certifications/azure-solutions-architect/
  • Google Cloud「Professional Cloud Architect」。Recommended experience=「3+ years of industry experience including 1+ years designing and managing solutions using Google Cloud」/Prerequisites=「None」(2026年9月8日に編集部が原文を確認。2つの問い方で読み取り、文字列が一致することを確かめた) https://cloud.google.com/learn/certification/cloud-architect
  • Google Cloud「Associate Cloud Engineer」。Recommended experience=「6+ months hands on experience with Google Cloud」/Prerequisites=「None」(同上・2026年9月8日に2回照合) https://cloud.google.com/learn/certification/cloud-engineer
  • Google Cloud「Cloud Digital Leader」。Recommended experience=「Experience collaborating with technical professionals」(年・月の数値なし)/Prerequisites=「None」(同上・2026年9月8日に2回照合) https://cloud.google.com/learn/certification/cloud-digital-leader
  • Cisco「Certifications」。Entry・Associate・Professional・Expert・Certificate・Specialist の6つの区分名が並ぶ。2回の取得で並び順が一致しなかったため、本記事では順序を書いていない。前提条件と推奨される経験の年数は、編集部が開いた範囲では見当たらなかった(2026年9月8日に編集部が原文を確認) https://www.cisco.com/site/us/en/learn/training-certifications/certifications/index.html
  • Microsoftの日本語ページ(learn.microsoft.com/ja-jp/credentials/)は機械翻訳である旨がページのメタ情報に記載されているため、逐語の根拠には使わず、英語版の該当ページから取っている。
  • 編集部によるSERP調査(2026年9月8日)。「azure 資格ロードマップ」の上位20ページから h1〜h4 の見出しを抽出し、計577件を対象にした(20ページ分の見出し数を1件ずつ足して検算。うち1ページは見出し0件・本文6字で内容を取得できておらず、0件として扱った)。段を指す語は「レベル」11件・「階層」2件・「体系」2件・「段階」1件で、「ランク」は0件。発行元が公表する推奨年数に触れた見出しは0件、経験の年数に触れた見出しは2件(いずれも読者側の年数)、前提条件を扱った見出しは1件(よくある質問)。「40代」「在職」「求人票」「求人要件」「要件欄」を含む見出しと、法令の条番号を挙げた見出しはいずれも0件件数は編集部が目視で数えたもの。調査対象のサイト名・企業名は本文・出典とも記載しない(個別サイトの評価を目的とした調査ではないため)
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