AIエンジニアの年収|609.8万円は何の平均か
先に答えを書きます。厚生労働省job tag(職業情報提供サイト)が「AIエンジニア」のページに掲載している平均年収は609.8万円でした(2026年9月1日に編集部が確認)。ただし、これはAIエンジニアだけの平均ではありません。
同じ609.8万円が、データエンジニアにも、セキュリティ関連の職業にも付いています。平均年齢42.2歳・就業者数207,400人まで、3つの職業ページで同じ値でした。
この記事は、AIという職種名を公表データに当てたときに何が返ってくるかを、実際に開いて確かめた結果で示します。埋まらなかった部分は、埋まらなかったと書きます。
AIエンジニアの年収は公表データ上609.8万円|ただし専用の値ではありません
AIエンジニアの年収とは、機械学習モデルの開発や実装を仕事にしている人が、1年間に受け取る賃金です。ただし公表データの上では、この金額は職業名ごとではなく、統計の職業区分ごとに集計された値として現れます。
AIに関わる職業のページは、厚生労働省job tagに複数あります。編集部が2026年9月1日にIT関連6職業のページを開いて並べた結果は、次のとおりでした。
| 職業(job tagの職業名) | 平均年収 | 平均年齢 | 就業者数 | job tagが記載する主な職業分類 |
|---|---|---|---|---|
| AIエンジニア | 609.8万円 | 42.2歳 | 207,400人 | その他の情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く)等 |
| データエンジニア | 609.8万円 | 42.2歳 | 207,400人 | その他の情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く)等 |
| セキュリティエキスパート(オペレーション) | 609.8万円 | 42.2歳 | 207,400人 | ITシステム運用管理者 等 |
| データサイエンティスト | 611.9万円 | 43.9歳 | 79,260人 | 他に分類されない技術の職業 等 |
| 情報工学研究者 | 802万円 | 42.5歳 | 98,020人 | 自然科学系研究者 等 |
| プログラマー | 578.5万円 | 37.1歳 | 389,760人 | プログラマー 等 |
(出典:厚生労働省job tag 各職業ページ。2026年9月1日に編集部が確認した掲載値。平均年収・平均年齢について同サイトは「令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成」、就業者数について「令和2年国勢調査の結果を加工して作成」と注記している。職業分類は同サイトが各ページに記す厚生労働省編職業分類)
実査で見えたこと|職業分類が違うのに、金額が同じでした
上の3職業は、平均年収も平均年齢も就業者数も1つ違わず同じ値です。仕事の中身は、機械学習モデルを作る仕事と、データ基盤を作る仕事と、セキュリティの監視を回す仕事で明らかに違います。それでも数字は分かれませんでした。
さらに目を引くのは、職業分類のほうです。AIエンジニアとデータエンジニアには「その他の情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く)」と記されています。一方、セキュリティエキスパート(オペレーション)は「ITシステム運用管理者」です。同じ金額なのに、対応する職業分類は同じではない、ということです。
これは編集部の推測ではありません。job tagは各職業ページに、次の注記を置いています。
※「統計データ」は、必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではありません。各統計データで使用されている職業分類の詳細については職業分類対応表をご覧ください。
(出典:前掲・厚生労働省job tag 各職業ページの注記。2026年9月1日に編集部が確認)
つまり掲載元自身が、その職業だけの数字とは限らないと書いています。したがって「AIエンジニアの平均年収は609.8万円」と職業名の粒度で言い切ることはできません。どの区分でまとめられているのかまでは、編集部は断定しません。
なお、注記が案内している「職業分類対応表」は、2026年9月1日に編集部が開いたjob tagの職業情報ダウンロードページには見当たりませんでした。そこに置かれていたのは4ファイル(数値系のCSVとXLSX、解説系のCSVとXLSX)です。過去に公開された分のアーカイブまでは確認していません。
念のため、この作業の性格も書いておきます。編集部の運営メンバーはWebマーケティング領域の出身で、AI開発の実務経験はありません。ここでやったのは、公開されている職業ページを1ページにつき2回、別々の問い方で開いて同じ値が返ることを確かめる机上の確認です。

「AIエンジニア」は、賃金の統計の職種区分には見当たりません
編集部が2026年9月1日に確認した範囲では、賃金の統計の側にもAIという語を名指しした職種区分は見当たりませんでした。探したのは「AI」「人工知能」「機械学習」「データサイエンス」の4語を含む職種名です。
確認したのは2つです。1つは厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」の結果の概要「1 一般労働者の賃金」で、全11節のなかに職種別にみた賃金の節はありませんでした。もう1つはe-Statの統計表「賃金構造基本統計調査 1 一般_職種(小分類)DB」の分類項目です。
該当した区分は4つでした。システムコンサルタント・設計者、ソフトウェア作成者、その他の情報処理・通信技術者、そして電気・電子・電気通信技術者です。見つからなかったことと、存在しないことは別です。統計表の別の系統まで降りれば、そこに集計が置かれている可能性は残ります。
求人票や社内の呼び名で当たり前に使われている職種名が、統計の分類語としてそのまま用意されているとは限りません。この差は、呼び名が新しい職種ほど広がりやすいと編集部は考えます。
「AIをやる仕事」は、3つの別々の職業分類に散っています
もう一つ、実査で分かったことがあります。AIに関わる職業は、job tag上で1か所にまとまっていません。対応する職業分類が3通りに分かれています。
| job tagの職業名 | 記載されている主な職業分類 | 掲載されている平均年収 |
|---|---|---|
| AIエンジニア | その他の情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く)等 | 609.8万円 |
| データサイエンティスト | 他に分類されない技術の職業 等 | 611.9万円 |
| 情報工学研究者 | 自然科学系研究者 等 | 802万円 |
(出典:前掲・厚生労働省job tag 各職業ページ。2026年9月1日に編集部が確認した掲載値)
3つの職業分類は、情報処理の技術者、どこにも分類されない技術者、自然科学の研究者です。同じ「AIの仕事」と呼ばれているものが、統計の側では技術者と研究者に分かれて置かれているということになります。
編集部の見立てを書きます。AIという言葉が、モデルを実装する仕事、データから答えを出す仕事、手法そのものを研究する仕事を1語で束ねています。だから職業分類の側でも1本にまとまらず、金額も1つになりません。
この節の3つの数字は、いずれも同じjob tagの掲載値です。ただし対応する職業分類が違うため、差額を出して「研究職のほうが高い」といった読み方はしません。3つの区分がそれぞれ別の集計になっている、という形だけを受け取ってください。

求人側の数字も、AIエンジニアだけの値ではありませんでした
在職者の側だけでなく、求人の側も確かめました。job tagにはハローワーク求人統計データにもとづく求人賃金が載っています。4職業の掲載値は次のとおりです。
| job tagの職業名 | 求人賃金・月額(令和7年度) |
|---|---|
| AIエンジニア | 32.7万円 |
| データエンジニア | 32.7万円 |
| セキュリティエキスパート(オペレーション) | 31.8万円 |
| データサイエンティスト | 29.6万円 |
(出典:前掲・厚生労働省job tag 各職業ページ。2026年9月1日に編集部が確認した掲載値。同サイトはこの項目を「ハローワーク求人統計データ」として掲載している)
ここで単位に注意が要ります。求人賃金は月額で、賞与も残業代も含みません。前の節に出てきた609.8万円は年収です。
単位が違う数字なので、片方を12で割ったり掛けたりして比べないでください。仮に月額を12倍しても、それは賞与も残業代も乗っていない下限の目安にしかなりません。
そのうえで読み取れることが1つあります。AIエンジニアとデータエンジニアは、求人賃金も同じ32.7万円でした。在職者の側で一致していた2職業が、求人票側の集計でも分かれなかったということです。
職業ごとに差が出たのは、金額ではなく入口のほうでした
ここが本記事の中心です。同じ6職業を項目ごとに突き合わせると、金額は同じ値を返してくるのに、入口の記述だけははっきり分かれていました。
job tagの職業ページには「学歴」という欄があります。同サイトはこの欄に、次の説明を添えています。
この職業で実際に働いている人が多いと感じる「学歴」を表しています。必須とは限りませんので、詳細は「就業するには」を確認してください。
(出典:前掲・厚生労働省job tag 各職業ページの「学歴」欄の説明。2026年9月1日に編集部が確認)
| 学歴の項目 | AIエンジニア | プログラマー |
|---|---|---|
| 高卒未満 | 3.0% | 0.0% |
| 高卒 | 3.0% | 8.3% |
| 専門学校卒 | 6.1% | 25.0% |
| 短大卒 | 0.0% | 4.2% |
| 高専卒 | 3.0% | 10.4% |
| 大卒 | 57.6% | 64.6% |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 63.6% | 4.2% |
| 博士課程卒 | 30.3% | 2.1% |
| わからない | 3.0% | 12.5% |
(出典:前掲・厚生労働省job tag AIエンジニアのページ・プログラマーのページ。2026年9月1日に編集部が確認した掲載値。合計は100%を超えており、排他的な内訳ではない。出典・調査時期・回答数・複数回答の別を示す注記は、編集部が確認した範囲では当該欄に見当たらなかった)
数字の形だけを見ても、修士課程卒と博士課程卒の位置がまったく違います。この違いは、同じページの文章の側にも出ています。
- AIエンジニア:「大学院で情報科学あるいは工学部、理学部の様々な分野の修士か博士号取得者が多くを占める。大学学部卒の割合がそれに続き、高専卒も若干いる。」
- プログラマー:「入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。専攻も特に問われず、最近は文系出身のプログラマーも多い。」
(出典:前掲・厚生労働省job tag 各職業ページの「就業するには」。2026年9月1日に編集部が確認)
編集部の見立てを書きます。金額の側は職業名を変えても同じ値が返ってくるのに、入口の記述は職業ごとに正反対でした。だとすれば、AI領域を検討するときに先に確かめるべきは金額ではなく入口のほうだ、というのが編集部の読み方です。
ただし、これを「学位がなければ就けない」と読まないでください。job tag自身が「必須とは限りません」と書いており、上の割合も排他的な内訳ではありません。読み取れるのは、募集する側が学歴・学位をどのくらい見ている領域なのか、その温度差までです。
参考として、研究職側の数字も置いておきます。情報工学研究者のページでは、博士課程卒64.3%・修士課程卒33.3%・大卒16.7%でした(前掲・厚生労働省job tag 情報工学研究者のページ。2026年9月1日に編集部が確認)。

民間の年収調査を読むときに、編集部が確認する4項目
AI領域は、民間の年収調査が特に多く流通しています。編集部が2026年9月1日に上位10件の見出しとタイトルを取得したところ、掲げられていた平均年収は3通りに割れていました。同じ職種名を扱っているのに、金額がそろっていないということです。
それぞれの集計が何を基礎にしているかまでは、本作業では確認していません。確認していない以上、その数値は本記事では使いません。公的統計を基礎にした値と同じ物差しの上に並べることもしません。
民間の調査が悪いという意味ではありません。公表が早く、職種の粒度も細かいのは民間側の強みです。ただし読むときに確認する項目は決まっています。
- 調査主体:誰が実施したか。自社サービスの登録者を集めた調査か、第三者の調査か
- 調査時期:いつの時点の数字か。年度が書かれていない集計は、いつの相場か分からない
- 母集団:誰を集めた数字か。求人票か、登録者か、成約者か。この3つは別のものです
- n数:何件を集計した値か。件数が書かれていない平均は、検算のしようがありません
この4つのうち1つでも書かれていない数字を、編集部は記事の根拠に使いません。あなたが自分の判断材料にするときも、同じ4つを先に探すことをおすすめします。
ITSSレベル別の年収レンジは、平均年収とは別の調査です
job tagには、性格の違う数値がもう一組あります。ITSS(ITスキル標準)のレベル別に示された年収レンジです。掲載されているのは第一四分位から第三四分位の範囲で、全年齢の値です。
| ITSS区分(どの職業ページに載るか) | レベル1〜2 | レベル3 | レベル4 | レベル5以上 |
|---|---|---|---|---|
| 設計・構築(AIエンジニア/データエンジニア) | 420.0万〜620.0万円 | 450.0万〜700.0万円 | 500.0万〜780.0万円 | 600.0万〜950.0万円 |
| 企画立案・プロジェクト管理(データサイエンティスト) | ― | 600.0万〜900.0万円 | 650.0万〜950.0万円 | 700.0万〜1,100.0万円 |
(出典:前掲・厚生労働省job tag 各職業ページ。2026年9月1日に編集部が確認した掲載値。同サイトはこのレベル別年収について「厚生労働省が2023年度に実施した委託調査結果に基づき掲載」と注記している)
このレンジの原調査は、2023年度に実施された委託調査です。ここまでの節で見てきた平均年収は令和7年賃金構造基本統計調査を加工した値で、同じサイトに並んでいても調査そのものが別物です。集計方法も公表されていません。
そこで編集部は、この2つを1本の梯子にしません。差を引いて評価することもしません。読むときは、帯のどこにいるかという問いと、平均からどれだけ離れているかという問いを、別々に立ててください。
区分の割り当て自体も読みどころです。AIエンジニアは設計・構築、データサイエンティストは企画立案・プロジェクト管理に置かれています。前の節で見た職業分類の分かれ方が、ここでも同じ形で現れています。

公表データが答えなかったこと|編集部が探した範囲
ここまでの数値は、AIという職種の年収を職業名の粒度で説明しきってはいません。編集部が探して見当たらなかったものは、次の3つです。
- AI職を名指しした職種区分の賃金(賃金構造基本統計調査の側で探しました)
- AI職だけを切り出した年齢階級別の年収(同じ範囲で探しました)
- AI職の未経験入職者・40代入職者に限った年収(上記に加えてjob tagの職業ページ6本まで探しました)
確認した情報源は4つです。前掲・令和7年賃金構造基本統計調査の概況の結果の概要「1 一般労働者の賃金」の全11節と、e-Statの統計表「賃金構造基本統計調査 1 一般_職種(小分類)DB」の分類項目。そしてjob tagの職業ページ6本と、job tagの職業情報ダウンロードページ(掲載は4ファイル)です。
これらはすべて「編集部が探した範囲では見当たらなかった」という意味で、存在しないことの証明ではありません(確認時点はすべて2026年9月1日)。公的統計の「概況」は抜粋であり、そこに載っていないことが不在を意味するわけではないからです。
年齢階級で切った実額の読み方は本記事では扱いません。その役割は40代の賃金の形を4階級で確かめる記事が担当しています。
職種で切る前に、ITエンジニア全体の年収がどう決まっているかを押さえておくと読み違えが減ります。職種名は、年収の枠を決めている要素の1つでしかないからです。その全体像は年収の枠が何で決まるかを先に押さえる記事にまとめています。
編集部の結論|金額ではなく入口の記述を判断材料にする
この記事に並べた数値のうち、編集部が読者に使ってほしいのは学歴の欄のほうです。609.8万円は職業名ごとの集計ではないため、「AIに移ればここまで上がる」の根拠になりません。
一方で入口の記述は、職業ごとにはっきり分かれていました。金額が同じ値を返してくる領域で、確かめられる差がそこに出ているのは意味があると編集部は考えます。
あなたが何を最優先にするかで、次の一手は変わります。軸ごとに編集部の結論を書きます。
- 年収を最優先するなら:職種名で金額を比べるのをやめてください。公表値の側が同じ数字を返してくる以上、比べるべきは職種名ではなく、目の前の求人票に書かれた金額とその内訳です
- 時間・場所を優先するなら:掲載値の労働時間(AIエンジニアは160時間。前掲・厚生労働省job tag AIエンジニアのページ)を、いまの自分の実労働時間と並べてください。年収の絶対額より、こちらのほうが日々に効きます
- いま動く気がないなら:測るところだけ先にやってください。肩書きではなく数字で現在地を出す全体ガイドに、公的統計・スカウト・エージェント・診断の使い分けをまとめています
本記事は「AIをやれば年収が上がる」という因果を書きません。上の3つは年収が上がる保証ではなく、確かめる順序の提案です。自分の値札(市場価値)がいまどの帯にあるのかは、職種を決める前でも測れます。
先に自分の数字を出しておきたい場合は、手元の数字を公表値に当てる作業の進め方が使えます。外からの評価として受け取る形で測るなら、社外の値付けを受け取って照合する段取りという手もあります。学びを積んだ結果が待遇に反映されるかどうかの判定は、積んだものが待遇に変わるかどうかの判定が担当しています。
よくある質問
AIエンジニアの年収はいくらですか?
1つに定まりません。厚生労働省job tagの掲載値では609.8万円ですが、同じ値がデータエンジニアとセキュリティエキスパート(オペレーション)にも付いています(2026年9月1日に編集部が確認)。
3つの職業は平均年齢も就業者数も同じ値でした。job tag自身が「必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではありません」と注記しているため、職業名ごとの平均としては読めません。
AIエンジニアの年収は2000万以上ですか?
編集部が2026年9月1日に確認した公表データの中に、2,000万円という水準は出てきませんでした。job tagの掲載値は609.8万円です。
別系列のデータであるITSSレベル別の年収レンジも、同じページに載っています。本記事に挙げた2区分のなかで最も上の帯は、企画立案・プロジェクト管理のレベル5以上で700.0万〜1,100.0万円です。前段の平均年収とは原調査が別のため、つないで読んだり差を出したりはしません。
AIエンジニアの年収は1000万円ですか?
job tagの掲載値の側では、1,000万円は出てきませんでした。平均年収は609.8万円です(2026年9月1日に編集部が確認)。求人賃金は別の項目で、こちらは月額32.7万円です。
別系列のITSSレベル別年収レンジでは、企画立案・プロジェクト管理のレベル5以上の帯の上端が1,100.0万円です。ただしこれは第一四分位から第三四分位の範囲であって、平均でも到達額でもありません。
AIエンジニアやデータサイエンティストの年収はいくらですか?
job tagの掲載値では、AIエンジニアが609.8万円、データサイエンティストが611.9万円でした(2026年9月1日に編集部が確認)。
ただし2つは対応する職業分類が違います。AIエンジニアは「その他の情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く)」等、データサイエンティストは「他に分類されない技術の職業」等と記されています。別の区分の集計なので、差額を出して優劣を読む使い方はできません。
生成AIエンジニアの年収はいくらですか?
編集部が確認した範囲では、「生成AIエンジニア」という職業名は見当たりませんでした。確認したのは、job tagのサイト内検索で「AI」を検索した結果と、本記事で開いた職業ページ6本です(いずれも2026年9月1日)。賃金構造基本統計調査の職種(小分類)の分類項目にも、この語を含む区分は見当たりません。
編集部の見立てでは、呼び名が新しいほど統計の分類が追いつくまでに時間がかかります。その間に流通するのは民間の集計値なので、調査主体・調査時期・母集団・n数の4つを確認してから読んでください。
まとめ|AIの年収は、金額より「何の区分か」を先に見る
- 公表データの掲載値は609.8万円:ただし同じ値がデータエンジニアとセキュリティエキスパート(オペレーション)にも付き、平均年齢42.2歳・就業者数207,400人まで一致する(2026年9月1日に編集部が確認)
- 職業分類は同じではない:AIエンジニアは「その他の情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く)」、セキュリティエキスパート(オペレーション)は「ITシステム運用管理者」。それでも金額は分かれない
- 掲載元自身が限界を書いている:「必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではありません」という注記がある
- AIの仕事は3つの職業分類に散っている:実装・分析・研究がそれぞれ別の分類に置かれ、掲載値も609.8万円・611.9万円・802万円と分かれる
- 求人側でも同じ:求人賃金はAIエンジニアとデータエンジニアがともに月額32.7万円(令和7年度)。月額と年収を混ぜない
- 差が出たのは入口:学歴の欄では修士課程卒63.6%・博士課程卒30.3%(プログラマーは4.2%・2.1%)。ただしjob tagは「必須とは限りません」と注記しており、合計も100%を超える排他的でない値
- 民間の集計値は別扱い:調査主体・調査時期・母集団・n数の4つが揃わない数字は根拠に使わない
- 編集部の判断:609.8万円を移動の理由にせず、入口の記述と目の前の求人票の金額を確かめる
検索して出てきた平均年収と自分の年収を並べても、その差がどこから来たのかは分かりません。今日やることは、いま見ている数字が何の区分の集計なのかを一度調べることです。区分が分かって初めて、その数字を自分に当ててよいかどうかが決まります。
※本記事の統計に関する記述は、記載の一次資料に基づく一般的な情報です。個別の給与・待遇の判断は、勤務先の規程や求人条件、必要に応じて公的機関・専門家への確認を併せて行ってください。
参考・出典
- 厚生労働省 job tag(職業情報提供サイト)各職業ページ(2026年9月1日に編集部が原文を開いて確認した掲載値。各ページは1ページにつき2回、別々の問い方で読み取り、同じ値が返ることを確認している。平均年収・平均年齢・労働時間は同サイトが「令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成」、就業者数は「令和2年国勢調査の結果を加工して作成」、求人賃金は「ハローワーク求人統計データ」と注記。ITSSレベル別年収レンジは「厚生労働省が2023年度に実施した委託調査結果に基づき掲載」「金額は第一四分位から第三四分位の範囲を表しています」と注記しており、平均年収とITSSレベル別レンジは別の調査に基づく。各ページには「※『統計データ』は、必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではありません。各統計データで使用されている職業分類の詳細については職業分類対応表をご覧ください。」の注記がある):AIエンジニア(609.8万円・42.2歳・160時間・207,400人・求人賃金月額32.7万円〔令和7年度〕・ITSS区分=設計・構築・職業分類=その他の情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く)等) https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/325 /データエンジニア(609.8万円・42.2歳・160時間・207,400人・32.7万円・設計・構築・その他の情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く)等) https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/523 /セキュリティエキスパート(オペレーション)(609.8万円・42.2歳・160時間・207,400人・31.8万円・運用・保守・ITシステム運用管理者 等) https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/321 /データサイエンティスト(611.9万円・43.9歳・159時間・79,260人・29.6万円・企画立案・プロジェクト管理・他に分類されない技術の職業 等) https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/323 /情報工学研究者(802万円・42.5歳・98,020人・自然科学系研究者 等・学歴=博士課程卒64.3%・修士課程卒33.3%・大卒16.7%) https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/389 /プログラマー(578.5万円・37.1歳・159時間・389,760人・プログラマー 等・学歴=大卒64.6%・専門学校卒25.0%・修士課程卒4.2%・博士課程卒2.1% ほか) https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/313
- 厚生労働省 job tag 職業情報ダウンロードページ(2026年9月1日に編集部が確認。掲載されていたのは4ファイル=簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00 のCSV・XLSX〔2026年3月17日公開〕、解説系ダウンロードデータ ver.7.01 のCSV・XLSX〔2026年6月4日公開〕。注記が案内する「職業分類対応表」という名称のファイルは、このページでは見当たらなかった。過去分のアーカイブは確認していない): https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」(2026年3月24日公表。数値は2025年6月分。2026年9月1日に編集部が原文を開いて確認): https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2025/dl/14.pdf ※同概況「1 一般労働者の賃金」は(1)賃金の推移/(2)性別にみた賃金/(3)学歴別にみた賃金/(4)企業規模別にみた賃金/(5)産業別にみた賃金/(6)雇用形態別にみた賃金/(7)勤続年数階級別にみた賃金/(8)役職別にみた賃金/(9)在留資格区分別にみた賃金/(10)新規学卒者の学歴別にみた賃金/(11)都道府県別にみた賃金 の全11節で、職種別にみた賃金の節は無い(2026年9月1日に編集部が確認)。本概況の「賃金」は調査実施年6月分の所定内給与額の平均(きまって支給する現金給与額から超過労働給与額を差し引いた額)であり、賞与を含まない
- 政府統計の総合窓口(e-Stat)「賃金構造基本統計調査 1 一般_職種(小分類)DB」(2026年9月1日に編集部が分類項目を確認。情報処理・通信技術者に関する項目は電気・電子・電気通信技術者〔通信ネットワーク技術者を除く〕/システムコンサルタント・設計者/ソフトウェア作成者/その他の情報処理・通信技術者で、「AI」「人工知能」「機械学習」「データサイエンス」の語を含む職種名はこの分類項目の一覧では見当たらなかった): https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003426315
