SES面談がだるい理由|誰の何の確認かを制度で分解
SES面談がだるいと感じるのは、この場が採用選考ではなく、会社どうしの契約が始まる前の確認だからです。あなたは確認される側に置かれますが、契約の当事者ではありません。だから回数も日時も、自分では決められません。
この記事では、だるさの出どころを制度と商流の側から分解します。誰が何を確かめたくて呼ぶのか。面談に出ている時間が、自社側でどう扱われるのか。この2つを労働基準法の条番号まで下ろして書きます(確認日:2026年9月2日)。
面談を減らす交渉術も、相手を試す聞き方も書きません。書くのは、だるさのうち制度上どうしても残る部分と、自社の運用で変えられる部分の切り分けです。
SES面談がだるいのは、採用選考ではなく契約前の確認だからです
SESの案件面談とは、あなたを常駐先へ出す前に、会社どうしが互いの認識を合わせるために設ける確認の場です。合否を決める採用選考ではありません。SES(システムエンジニアリングサービス)は、準委任契約でエンジニアの労働力を提供する業態です。準委任は、民法656条が委任の規定を準用すると定めた契約を指します(確認日:2026年9月2日)。
だるさの中身は、次の3つに分かれます。混ざったままだと打ち手が出てこないため、先に分けておきます。
- 回数——1つの現場に入るまでに、確認したい相手が複数出てくることがある
- 時間——日時は先方の都合で決まり、移動と待ち時間が付く
- 決定権——出るかどうかも、結果がいつ返るかも、あなたの手の外で動く
この3つは、いずれも性格や意欲の問題ではありません。契約の当事者があなたではないという一点が、3つすべての出どころだと編集部は考えます。
誰が、何を確認したくて呼んでいるのか
呼んでいるのは1者ではありません。面談の場に関わる相手は、多くの場合3つに分かれます。それぞれ確かめたいことが違うため、聞かれる内容もばらつきます。
| 相手 | 確かめたいこと | あなたとの契約関係 |
|---|---|---|
| 自社の営業 | 提案した経歴と、本人の説明がずれていないか | 雇用主。あなたに指示を出す立場 |
| 間に入った会社 | 自分が請けた事務を、この人で果たせるか | 契約していない |
| 常駐先 | 委託する事務が予定どおり回るか | 契約していない |
右の列が要点です。あなたが契約を結んでいるのは自社だけで、間に入った会社とも常駐先とも、あなた自身は契約していません。確認の対象になっているのは、あくまで会社が引き受けた事務のほうです。
だから面談は、人物の評価というより、事務が回るかどうかの確認として設計されています。引き受けた事務の範囲が書面のどこに書かれるかは引き受けた事務の範囲がどこに書かれているかにまとめてあります。発注と雇用が別々の相手に向かうというこの業態の成り立ちそのものは、発注と雇用が別々に走る業態の全体像で扱っています。

同じ1つの参画に、確認したい相手が何人も出てくる
面談が2回、3回と続くのは、確認したい相手が複数いるからです。発注元から現場までのあいだに会社が入るたび、その会社にも「この人で自社の責任を果たせるか」を確かめたい理由が生まれます。ここは個人の能力とは関係のない話です。
元請から現場までに何社が入りうるのかは、元請から現場までに何社入りうるかの調査にまとめてあります。数の実態はそちらを参照してください。
ただし、面談の回数から自分が何次請けにいるかを言い当てることはできません。同じ会社が2回出てくることも、間の会社が同席しないこともあるためです。回数は手がかりであって、位置を確定させる材料にはなりません。
編集部が言えるのはここまでです。回数が多いこと自体は、あなたの経歴や受け答えに対する評価ではありません。
この面談は、転職の採用面接ではありません
採用面接と違うのは、あなたが申し込んでいない点です。転職の面接は自分で応募し、書類が通って呼ばれます。案件面談は、自社が経歴を提案し、先方が会いたいと返したときに設定されます。
この違いが、気の重さの土台になります。拘束される長さが同じでも、自分で選んで臨む場と、決まったものとして降りてくる場では受け取り方が変わります。納得しにくいのは当然で、意欲の問題ではありません。
通るか通らないかを扱った記事は別にあります。見送りが続くときの見方や、この場の適法性をめぐる論点は通るか通らないかの側から面談を扱った記事にまとめてあります。
面談に出ている時間は、誰の指示による何の時間ですか
確かめる先は常駐先ではなく、雇用主である自社です。面談へ出るのは自社の業務指示によるもので、その時間の扱いを決めているのも自社との労働契約だからです。
就業規則には、始業と終業の時刻や休憩・休日に関する事項を記載しなければならないと法律で定められています。根拠は労働基準法89条1号です(確認日:2026年9月2日)。
常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。(労働基準法89条柱書)
始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項(同条1号)
ここに限定を1つ添えます。柱書が対象にしているのは「常時十人以上の労働者を使用する使用者」で、それより小さい事業場には作成の義務がかかりません。就業規則そのものが無いという状態もありえます。
実際に何時間として扱われたかは、賃金台帳の側に記録されます
使用者は事業場ごとに賃金台帳を作り、賃金支払の都度、遅滞なく記入しなければなりません(労働基準法108条)。何を記入するかを定めているのは施行規則で、4号が「労働日数」、5号が「労働時間数」です(同施行規則54条1項。確認日:2026年9月2日)。
つまり、面談に出た日が何日として、何時間として扱われたかは、記録される仕組みの側にあります。手元の給与明細と自分の勤怠の記録を突き合わせれば、扱いのずれには気づけます。
ただし、その時間が労働時間に当たるかどうかは、指示の内容や拘束の程度といった個別の事情で判断されます。個別の事案について、編集部がこの判定をすることはできません。
扱いに疑問がある場合は、まず自社の人事・管理部門に確認してください。それでも解けない場合の相談先は、労働基準監督署です。
上位の記事は、だるさを本人の側の問題として扱っています
編集部は、だるさを性格や気合の問題として書きません。このキーワードで検索したときに上位に並ぶ10件を、2026年9月2日に見出し抽出ツールで調べました。h1からh4まで、合計247件の見出しが取れています。数えた結果は次のとおりです。
- 体感を表す語(だるい・辛い・苦手・きつい・面倒)を見出しに含むページ:5件
- 「断る」「辞退」を扱う見出しを持つページ:2件
- 面談に出ている時間の扱い(労働時間・賃金・移動)に触れた見出し:0件
- 法令名または条番号を含む見出し:1件
- 面談の回数や繰り返しに触れた見出し:1件
多くの記事が着地させているのは、自己紹介のテンプレート化・事前の情報収集・前向きな心構えです。いずれも本人の側で完結する対処で、なぜこの手続きがあるのかには踏み込んでいません。なお、どのサイトがどれに当たるかは書きません。特定の会社への評価になることを避けるためです。
相手を試す聞き方も、わざと外す方法も扱いません
上位には、案件の断り方に紙面を割く記事もあります。当サイトはこれを勧めません。相手への不利益を前提にした行動を扱わないというのが、当サイト全体の方針だからです。
編集部の運営メンバーが立ってきたのは、Webマーケティング領域の採用で面接官の側です。エンジニア職の現場に入った経験も、案件面談に出た経験もありません。
その立場から1つだけ書きます。同じ1時間でも、聞く側は業務時間の1コマとして座り、聞かれる側は予定を空け、移動し、話す順序を組み立ててから来ます。負担は最初から対称ではありません。だるいと感じるのは、この非対称を体で受け取っているからだというのが編集部の見立てです。
制度上残るものと、自社の運用で変えられるもの
だるさを1つの塊のまま扱うと、打ち手が出てきません。出どころを分けると、確かめる先が決まります。次の表は編集部の整理であり、法律が定めた分類ではありません。
| だるさの出どころ | 分類 | 確かめる先 |
|---|---|---|
| 契約の当事者が自分ではない | 制度上残る | ——(仕組みそのもの) |
| 間に会社が入るぶん確認が重なる | 制度上残る | 商流の段数(本記事の範囲外) |
| 案件の情報が事前に届かない | 自社の運用で変えられる | 自社の営業 |
| 日時が就業時間中に急に入る | 自社の運用で変えられる | 自社の営業・上長 |
| 面談に出た時間の扱いが分からない | 自社の書面で確かめられる | 就業規則・給与明細・勤怠の記録 |
| 同じ理由で見送りが続く | どちらでもない(別の論点) | 通過・不通過を扱った記事 |

軸ごとに言い切ります。どれを最優先するかで、先に手を付ける場所が変わります。
- 時間を最優先するなら:最初に確かめるのは面談の時間の扱いです。所定内なのか、移動はどう扱われるのか。ここが曖昧なままだと、回数が増えるたびに持ち出しが増えます
- 心の平穏を最優先するなら:回数の理由を営業に聞いてください。何社が確認に入る見込みなのかが分かるだけで、見通しが立ちます
- 年収を最優先するなら:面談の負担を減らすことに時間を使うより、所属先の商流の位置を見るほうが先です。面談が楽になっても、値札(市場価値のこと。当サイトではこう呼びます)は動かないからです
所属先そのものを見直す段階に入ったなら、営業の動き方まで含めて所属先を見直す手順を参照してください。許可・届出の確認から、求人票に書かれた事項の読み方までを通しで示しています。
よくある質問
SESでは面談が2回あるのはなぜですか?
確認したい相手が2者いるためです。発注元と自社のあいだに会社が入っている場合、その会社と常駐先の双方が「引き受けた事務が回るか」を確かめようとします。ただし2回になる理由はこれだけではなく、常駐先の中で担当者と決裁者が分かれている場合もあります。
SESの面談は何回くらいですか?
回数の相場を示す公的な集計は、編集部が確認した範囲では見当たりませんでした(2026年9月時点)。間に入る会社の数と、常駐先の社内の進め方の両方で変わるためです。次の面談が何回目に当たるのかは、自社の営業に聞けば分かります。
SES面談の給料はもらえるのか?
面談に出た時間がどう扱われるかは、雇用主である自社の労働契約と就業規則で決まります。始業終業の時刻・休憩・休日に関する事項は就業規則の記載事項です(労働基準法89条1号)。実際に何時間として扱われたかは賃金台帳に記録されます(同法108条、同施行規則54条1項5号)。個別の事案が労働時間に当たるかどうかの判定は編集部にはできないため、自社の人事・管理部門か労働基準監督署に確認してください。
SES面談で何をするのでしょうか?
経歴と、案件で求められる作業の噛み合わせを確認します。採用の合否を決める場ではなく、会社どうしが契約に入る前の擦り合わせです。当日その場で何を話すか・何を聞き返すかという作法は、本記事では扱っていません。
SES面談はきついですか?
きついと感じさせる要素は3つあり、いずれもあなたの側の問題ではありません。回数、時間、そして決定権が自分の手の外にあること——この3つです。分けたうえで、自社の運用で変えられる部分だけを営業と話してください。
まとめ
- SESの案件面談は採用選考ではなく、会社どうしが契約に入る前に設ける確認の場です。あなたは確認される側に置かれますが、契約の当事者ではありません
- 呼んでいるのは1者ではありません。自社の営業・間に入った会社・常駐先で、確かめたいことがそれぞれ違います
- 面談が2回、3回と続くのは、確認したい相手が複数いるからです。ただし回数から自分が何次請けにいるかを言い当てることはできません
- 採用面接と違うのは、あなたが申し込んでいない点です。拘束される長さが同じでも、受け取り方は変わります
- 面談に出た時間の扱いを確かめる先は、常駐先ではなく自社です。就業規則の記載事項(労働基準法89条1号)と賃金台帳の記録(同法108条、同施行規則54条1項4号・5号)が手がかりになります
- 上位10件の見出し247件のうち、面談に出ている時間の扱いに触れたものは0件でした(2026年9月2日時点)
- だるさは3つに分けられます。制度上残るもの/自社の運用で変えられるもの/自社の書面で確かめられるもの。分けてから、変えられるものだけを営業と話してください
だるさは、あなたの適性の評価ではありません。この手続きが誰のために置かれているのかが分かれば、どこに労力を使うかを自分で決められます。まず就業規則を1度開いてみてください。次の面談で見えるものが変わります。
※本記事の制度に関する記述は一般的な情報です。面談に出た時間の扱いや、自分の労働条件が法令に適合しているかといった個別の判断は、自社の人事・管理部門、労働基準監督署、弁護士等の専門家に確認してください。
参考・出典
- e-Gov法令検索「労働基準法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 (就業規則の作成及び届出の義務=89条〔柱書「常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。」/1号「始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項」〕、賃金台帳=108条〔「使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない。」〕。2026年9月2日に編集部が法令APIで原文を取得し逐語照合。89条は、90条2項が「前条の規定により届出をなすについて」と定めていることを併せて確認し、条番号を2通りの照会で確定させた)
- e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40000100023 (賃金台帳の記入事項=54条1項〔柱書「使用者は、法第百八条の規定によつて、次に掲げる事項を労働者各人別に賃金台帳に記入しなければならない。」/4号「労働日数」/5号「労働時間数」〕。2026年9月2日に編集部が法令APIで原文を取得し、柱書と全8号を一度に出力させて号番号を確定させた。柱書が委任元を「法第百八条」と明記しているため、法108条との対応も規則側から独立に確認できている)
- e-Gov法令検索「民法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (準委任=656条〔見出し「準委任」/「この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。」〕。2026年9月2日に編集部が法令APIで原文を確認。本記事は準委任の定義に触れるためだけに引いており、委任の節の実体規定〔善管注意義務・報告義務・報酬・解除〕には入っていない)
編集部による調査
- 編集部によるSERP調査(2026年9月2日実施):対策キーワードの検索上位10件からh1〜h4の見出しを抽出し(計247件)、①体感を表す語(だるい・辛い・苦手・きつい・面倒)を見出しに含むページが5件、②「断る」「辞退」を扱う見出しを持つページが2件、③面談に出ている時間の扱い(労働時間・賃金・移動)に触れた見出しが0件、④法令名または条番号を含む見出しが1件、⑤面談の回数や繰り返しに触れた見出しが1件であることを確認した。個別のサイト名・企業名は、評価の断定を避けるため記載しない
- 編集部によるキーワード調査(2026年9月2日実施):対策キーワードの共起語を取得し、上位45語に「就業規則」「労働時間」「賃金」「契約」「商流」「下請」がいずれも現れないことを確認した
