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SES企業の選び方|公的データで自分で見極める6手順

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テックスカウト編集部

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SES企業の選び方|公的データで自分で見極める6手順

SES企業の選び方の結論は、優良企業の一覧を探すのをやめて、公的な名簿と法定の記載事項から自分で判定することです。会社名さえ分かれば、事業の許可・届出、派遣のマージン率、求人票に必ず書かれるはずの項目まで、無料で確認できます。

この記事では、その判定を6つの手順に分けて解説します。所要時間は1社あたり30分ほどで、費用はかかりません。転職先の候補だけでなく、いま所属している会社の再評価にもそのまま使えます。条文は編集部がe-Gov法令検索で1条ずつ原文に当たって確認しました(確認日:2026年8月16日)。

SES企業の選び方:6手順の全体像

選び方の骨格は「引く→突き合わせる→読む→数える→聞く→決める」です。 順番に意味があり、公的データで確かめられることを先に片づけてから、人に聞く工程へ進みます。

# 手順 何を使うか 分かること
1 引く 人材サービス総合サイト・厚生労働省の事業者一覧 その会社が何の事業者か(許可・届出の有無)
2 突き合わせる 会社が公表するマージン率+公的な集計値 分配の水準が相場とどれだけ離れているか
3 読む 求人票・労働条件通知書 どこまで飛ばされうるか、残業の設計
4 数える 面談での質問+公正取引委員会の実数 商流(何次請けか)の位置
5 聞く 面談・営業担当への確認 開示の姿勢そのもの
6 決める 自分の軸 応募・残留・離脱の判断

手順1から3までは、相手に一言も聞かずに終わります。 面談で質問しにくいと感じる人ほど、ここを先に片づける価値があります。

SES企業を見極める6手順のフロー図

準備するもの:会社名・求人票・労働条件通知書の3点

必要なものは多くありません。次の3つがあれば、手順1から3まで進めます。

  • 正式な会社名(株式会社◯◯まで。屋号・サービス名では公的名簿を引けません)
  • 求人票(転職サイト・自社採用ページのどちらでも可。あとで法定記載の有無を照合します)
  • 労働条件通知書(在職中の人は入社時に受け取ったもの。転職検討中なら内定時に受け取ります)

在職中の人は、加えて直近の給与明細と就業規則があると手順2・3が深くなります。就業規則には待機期間中の給与や副業の可否が書かれているため、閲覧できるかを人事に確認してください。

なぜ当サイトは「優良SES企業ランキング」を作らないのか

個社を評価できるデータを持っていないからです。 先に開示します。

編集部は有価証券報告書などの個社データをまだ取得しておらず、企業ごとの利益率・人件費比率・定着率を突き合わせて順位をつけられる状態にありません。順位や評価を出すなら、調査方法・対象・時期を記事内に示せることが条件だと考えています。示せない順位は、読者にとって根拠のない指名でしかありません。

もうひとつ、構造の話もしておきます。「SES企業 選び方」の検索上位に並ぶ記事は、編集部が確認した範囲では、そのほとんどがSES事業者かSES専門のエージェントの運営でした。 内容が悪いという意味ではなく、自社が評価される側・紹介する側でありながら基準を作っているという構図です。

当サイトも転職サービスの紹介で収益を得ているので、この批判はそのまま自分に返ってきます。だから勧める基準と利害を先に公開しています(→編集方針)。

一覧を配るかわりに、読者が自分で一覧を作れる引き方を配る。 これが本記事の立場です。

「大手なら安心」も採用しません

知名度と働きやすさは別の軸です。 大手のSES企業は資本の厚みがあり、待機期間中の給与や教育制度の面で有利になりやすいのは確かです。一方で、規模が大きいほど案件数も階層も増えるため、あなた個人が配属される現場が何次請けかは、会社の規模だけでは決まりません

判定の単位は会社の名前ではなく、あなたが実際に立つ現場の商流です。手順4でその数え方を示します。

手順1:公的名簿で「その会社が何の事業者か」を引く

最初にやるのは、会社名で公的な名簿を引くことです。 ここで分かるのは「その会社が国から何の許可・届出を得て人材を扱っているか」で、これは会社の説明とは独立した事実です。

人材にかかわる事業は、制度が3つに分かれています。許可と届出は別物なので、混ぜて理解しないでください。

事業 制度 根拠条文 確認できる場所
労働者派遣事業 許可制 労働者派遣法5条1項 人材サービス総合サイト
有料職業紹介事業 許可制 職業安定法30条1項 人材サービス総合サイト
特定募集情報等提供事業 届出制 職業安定法4条7項・43条の2第1項 厚生労働省「特定募集情報等提供事業者一覧」

そして、ここが最も大事な点です。SES(準委任契約)そのものには、許可も届出も存在しません。 準委任は民法上の契約であり、事業として届け出る制度がないためです。

名簿に「出てこないこと」も情報になります

引いて何も出てこなかった会社は、悪い会社ではありません。準委任だけで事業をしている可能性がある、というだけです。 ただしその場合、あなたはこう理解しておく必要があります。

  • 派遣のマージン率のように、国が公開させる数字がひとつもない
  • 単価も商流も、会社が自発的に開示しない限り分からない
  • つまり確認の責任が、まるごと本人側にある

逆に、労働者派遣の許可番号が出てきた会社は、案件によって派遣契約でも人を出しているということです。その場合は手順2でマージン率まで進めます。

引くときの3つの注意

  1. 番号は会社(事業主)に付くもので、サービス名には付きません。サービス名で探して見つからないのは当然です
  2. 番号は変わることがあります。更新・事業所の変更で番号が動くため、確認した日付を自分で控えてください
  3. 許可番号があること自体は「良い会社」の証明ではありません。国が定めた要件を満たしているという意味であり、待遇の良し悪しとは別の話です

この引き方は編集部自身が使っている手順です。2026年8月10日には、あるスカウトサービスの運営会社について、人材サービス総合サイトで有料職業紹介事業の許可番号・手数料実績率・就職者数を引きました。「調べれば出てくるはず」ではなく、実際に出てきたことを確認したうえで勧めています。

人材にかかわる3つの事業区分と、公的名簿から引ける項目・その読み方を整理した構造図

手順2:マージン率を引き、公的な相場と突き合わせる

マージン率は感覚で語られがちですが、条文に計算式が書かれています。 労働者派遣法23条5項は、派遣元事業主が情報提供すべき割合を次のように定めています。

労働者派遣に関する料金の額の平均額から派遣労働者の賃金の額の平均額を控除した額を当該労働者派遣に関する料金の額の平均額で除して得た割合(労働者派遣法23条5項)

つまり「(発注側が払う料金 − 働く人の賃金)÷ 発注側が払う料金」です。情報提供の方法は「インターネットの利用その他の適切な方法により」とされており(同法施行規則18条の2)、公開先は人材サービス総合サイトに限られません。会社の自社サイトに「情報公開」「マージン率」のページがある場合も多いので、両方を探してください。

そもそも、こうした情報開示が法律で義務づけられているのは派遣だけです。マージン率の情報提供(派遣法23条5項)や派遣料金の額の明示(同法34条の2)を含めて、派遣にあってSESにない8つの仕組みを条番号つきで一覧にしています。

引けた数字をどこに当てるか

当てる先は、国が集計した実測値です。 厚生労働省の集計では、情報処理・通信技術者の派遣料金と賃金は次の水準でした。

情報処理・通信技術者(8時間換算) 令和6年度
派遣料金(発注側が払う額・消費税込み) 34,382円
派遣労働者の賃金(働く人が受け取る額) 21,032円
(参考)全業務平均の派遣料金 26,257円

(出典:厚生労働省「令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」表6・表7。2026年3月31日公表。各事業所の単純平均)

この2つから、**働く人の取り分は61.2%になります(21,032円÷34,382円。編集部算出)。派遣料金は消費税込みで集計されているため、税抜に直すと約67.3%**です(21,032円÷約31,256円。同)。裏返せば、会社側に残るのは税込で約38.8%、税抜で約32.7%ということになります。

「◯%以下ならホワイト」を編集部は書きません

合否ラインを断定した記事を見かけますが、根拠が示されていないものは判断材料になりません。 マージン率の水準は、社会保険料の事業主負担、待機期間中の給与保証、教育費、営業・管理部門の固定費をどこまで抱えているかで変わります。低ければ良いとも限りません。

そのうえで、比較の前に必ず確認してほしい点が1つあります。厚生労働省の派遣料金は消費税込みの数字です。 会社が公表するマージン率が税込・税抜のどちらで算出されているかは会社によって異なりうるため、税の扱いを確認せずに数字だけを並べないでください。ここを踏まえずに比較すると、実態より数ポイント高く見えたり低く見えたりします。

単価がどこで削られて自分の給与になるのかという分解は、SESの単価相場と単価・給与の構造にまとめています。

手順3:求人票の法定記載から「どこまで飛ばされうるか」を読む

求人票は広告ではなく、法律で書くべき項目が決まっている書類です。 ここを知らないまま読むと、書いていないことに気づけません。

労働者を募集する側には、労働条件を明示する義務があります(職業安定法5条の3第1項)。明示すべき事項は同法施行規則4条の2第3項が定めており、2024年4月1日から次の3項目が追加されました

  1. 従事すべき業務の内容の変更の範囲(同項1号)
  2. 就業の場所の変更の範囲(同項3号)
  3. 有期労働契約を更新する場合の基準(通算契約期間または更新回数の上限を含む。同項2号の3)

入社時に受け取る労働条件通知書も同じです。使用者には、労働契約の締結に際して労働条件を明示する義務があります(労働基準法15条1項)。書面で明示すべき事項の1つが「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項(就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲を含む)」です(同法施行規則5条1項1号の3)。

この1項目が、SESでは決定的に効きます

常駐先が変わる働き方だからです。 「変更の範囲」とは、雇入れ直後の話ではなく、その労働契約の期間中にどこまで変わりうるかを指します(厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」)。

SES企業の求人票・労働条件通知書で、ここがどう書かれているかを実際に見てください。

  • 「東京23区内の当社が指定するプロジェクト先」——範囲が地理的に区切られている
  • 「当社および当社が指定する全ての事業所・顧客先(国内)」——事実上、全国どこへでも動きうる
  • 記載そのものが見当たらない——追加された明示事項が反映されていない可能性がある

どれが正解ということではありません。家族と住宅ローンを抱えて41歳で通勤2時間の現場に飛ばされる可能性があるかどうかは、この1行から読み取るしかない、というだけです。常駐という働き方そのものの影響は客先常駐とは?働き方・契約・キャリアへの影響で解説しています。

残業の設計を数字で確認する

みなし残業(固定残業代)の時間数は、会社の労務設計をそのまま表します。 目安になるのが法律側の上限です。時間外労働の限度時間は、労働基準法36条4項で1か月45時間・1年360時間と定められています。

編集部は、みなし残業が月40時間以上に設定された給与表示を警戒対象として扱います。違法だからではありません。法律上の原則的な上限に近い残業を、あらかじめ前提として給与に織り込んでいる設計だからです。額面が大きく見えても、時間あたりで割り戻すと印象が変わります。

なお、求人情報には虚偽の表示・誤解を生じさせる表示をしてはならない義務があります(職業安定法5条の4第1項)。書いてあることが違うと感じたら、それは感想ではなく制度上の論点です。

手順4:商流(何次請けか)を数える

待遇を決める最大の変数は、会社の規模でも知名度でもなく商流です。 公正取引委員会が2022年に公表したソフトウェア業の実態調査は、この構造を実数で示しています。

調査項目(受注側の回答) 数値
取引上の位置付け 元請40.4%/中間下請38.2%/最終下請21.3%
資本金1,000万円以下の割合 全体54.5%に対し最終下請は68.6%
下請取引への依存度90%以上 最終下請の44.6%
取引先(発注元)が1社のみ 最終下請の19.2%
不必要な「中抜き」事業者の存在を感じた 中間下請29.2%・最終下請33.5%

(出典:公正取引委員会「ソフトウェア業の下請取引等に関する実態調査報告書」2022年6月29日公表。割合はいずれも「受注者側がそう回答した」数値です)

同じ報告書は「多重下請構造下では再委託の都度、中間マージン等が差し引かれるため、下層に行くほど受注金額が低くならざるを得ない」と明記しています。単価が低いことの原因を、スキル不足より先に構造で疑う根拠がここにあります。

商流の位置は、キャリアにも直結します。下請事業者が主に担当する工程は**開発(プログラミング)が56.6%**である一方、**ユーザーへの提案・要件定義はわずか5.5%**でした(法人 n=2,589・1つ選択)。「上流もマネジメントも未経験のまま40歳」は、努力の量ではなく配分の問題として説明がつきます。

商流構造そのものの解剖は、ピラー記事のSESとは?仕組み・商流・カネの流れの解説にまとめています。

数えるための質問は3つで足ります

  1. 「この案件のエンド(発注元)と元請はどこですか」——答えられない場合、間に何社入っているかを本人も把握していない可能性があります
  2. 「御社が直接契約している相手は、エンドですか、元請ですか、それとも別のSES企業ですか」——ここで自社の位置が確定します
  3. 「直請け(エンド直・一次請け)の案件は、全体のどのくらいですか」——会社全体の傾向が分かります

手順5:面談で聞き、答えなかった項目を記録する

この工程の目的は、答えの内容そのものより「答えたかどうか」を記録することです。 準委任契約には単価の開示義務がないため、開示するかどうかは会社の姿勢がそのまま出ます。

聞くべき項目と、答えの読み方を並べます。

聞くこと 答えの読み方
自分の単価はいくらか 即答できる会社は、単価と評価を結びつけて運用している
単価が上がったとき、給与にどう反映されるか 「総合的に判断」しか返らないなら、反映の仕組みがない可能性がある
還元率を掲げている場合、その分母は何か 分母(単価から何を引く前の金額か)を説明できないなら、率の数字は比較に使えない
待機期間中の給与は満額か 就業規則・労働条件通知書に明文があるかまで確認する
直近1年で退職した人は何人か 数字で答えられるかどうかが分かれ目
案件を断ったら次の提案はあるか 「案件選択制」の実態はここで決まる

離職率は、中途採用の場面で開示を強制できる情報ではありません。 学校卒業見込者等を条件とする募集では、求めに応じて青少年雇用情報を提供する義務があります(青少年の雇用の促進等に関する法律13条2項・14条2項)。ただしこれは新卒等の募集にかかる制度で、40代の中途採用には及びません。だからこそ、答えたか答えなかったかが、そのまま判断材料になります

編集部の運営メンバーには、採用側として面接に関わった経験があります。職種はWebマーケティング領域でエンジニアではありませんが、そのうえで言えることが1つあります。上に挙げた質問を嫌がる採用担当は、編集部の経験の範囲ではほとんどいませんでした。

具体的な質問をする候補者は、入社後にもめない相手として歓迎されるのが普通です。遠慮する理由はありません。

手順6:自分の軸で決める——軸別に言い切る

同じ会社でも、あなたが何を最優先するかで結論は変わります。 軸ごとに言い切ります。

あなたの軸 編集部の結論
年収を上げたい 直請け比率が最優先。マージン率より商流の浅さが効く(下層ほど受注金額が低くならざるを得ないと公正取引委員会が明記)
上流工程の経験を積みたい 要件定義が回ってくる位置かを確認する。下請の担当工程は要件定義5.5%で、位置を変えないと機会が来ない
通勤・勤務地を守りたい 就業の場所の変更の範囲の記載が全て(職安法施行規則4条の2第3項3号/労基則5条1項1号の3)
収入の安定を守りたい 待機時の給与保証が明文化されているか。口頭の「心配ない」は判断材料にしない
分配の透明性を知りたい 派遣の許可を持ち、マージン率を公表している会社。準委任だけの会社には公開義務がない
学び直しの機会がほしい 教育制度が制度として文書化されているか。SES企業の研修は法律ではなく各社の方針で決まる

そのうえで、編集部の意見を1つ書きます。6手順のうち1つでも「聞いても答えない」があった会社は、条件が良く見えても評価を下げてください。 分配の説明責任を果たさない会社では、3年後に単価が上がっても、それがあなたに届いたかどうかを確認する手段がありません。

判定を止めるべき危険信号

次に該当したら即アウト、という意味ではありません。 ただし該当する場合、編集部はその会社を積極的には勧めません。これは編集部の評価基準であって、特定の企業を断定するためのものではありません。

  • みなし残業が月40時間以上を含んだ給与表示になっている(→手順3)
  • 就業の場所の変更の範囲が**「当社が指定する場所」だけ**で、地理的な区切りがない
  • 待機期間中の給与について、就業規則・労働条件通知書に明文がない
  • 副業が禁止されている(社外で値札を上げる機会が制限される)
  • 一年中ずっと同じ求人が出続けている(人が定着していない可能性のサイン)
  • 複数の口コミサイトで、同じ悪評が長期間繰り返されている
  • 単価・商流について、質問しても回答が返ってこない

口コミの扱いには注意が必要です。個人差・部署差・時期差があるため、口コミだけで断定はできません。 複数のサイトで同じ指摘が長期間続き、かつ公開情報とも食い違う場合に、はじめて重い材料として扱ってください。

うまくいかないときの対処法

手順が止まる場所はだいたい決まっています。 3つの詰まり方と対処を挙げます。

公的名簿を引いても何も出てこない
準委任だけで事業をしている可能性があります(→手順1)。この場合、会社が自発的に公開している情報が全てなので、採用ページの「情報公開」「数字で見る当社」といったページを探し、なければ手順5で直接聞きます。

マージン率が見つからない
派遣の許可があるのに公表が見つからない場合は、自社サイト内の検索とあわせて、会社に問い合わせて構いません。情報提供は法律上の義務(労働者派遣法23条5項)なので、聞くこと自体が非常識な行為ではありません。

面談で「案件による」しか返ってこない
その回答自体を記録してください。SESでは案件ごとに条件が変わるのは事実ですが、「直請けの比率」「待機時の給与」「昇給の仕組み」は案件ではなく会社の設計です。会社の設計を案件のせいにする説明が続くなら、判断材料としてはそれで十分です。

手順を終えたあとにやること

判定が終わったら、次は自分の側の数字を持つ番です。 会社を測る物差しと、自分を測る物差しは別だからです。

  1. 判定結果を1枚に残す——会社名・確認日・引けた項目・答えなかった項目。3社ぶん並べると、基準が自分の中で固まります
  2. いまの会社を同じ手順で判定する——転職先だけを厳しく見て現職を甘く見るのが、いちばん多い失敗です
  3. 自分の市場価値を実測する——会社の良し悪しが分かっても、動ける条件がなければ選択肢になりません

会社を選び直したあとに何を積むかはどこで積むかで決まるスキルアップの判定で扱っています。

すでに「辞めたい」が先に立っている場合は、順番を整えるところから始めてください。辞めるべきかの判断基準と辞める前の手順はSESを辞めたいときの判断基準と辞める前の5ステップに条文つきで整理しています。「SESはやめとけ」という是非論そのものを検証したものはSESやめとけは本当か?40歳からの判断軸を公的データで検証にあります。

よくある質問

SESとして良い企業はどこですか?

編集部は個社名でのおすすめを出していません。 企業ごとの財務・定着率を突き合わせて評価できるデータ資産を持っておらず、根拠を示せない推奨は読者の役に立たないと考えるためです。かわりに、本記事の6手順で自分の候補を判定してください。判定の骨格は、公的名簿・マージン率・求人票の法定記載・商流の4点です。

優良SES企業一覧は?

一覧の形で公開されている公的な資料は、編集部が確認した範囲では存在しません。 民間の一覧記事は、掲載基準が示されていないものが大半です。近いことをするなら、人材サービス総合サイトで労働者派遣事業の許可を持つ事業者を検索し、そこから自分の基準で絞り込むほうが確実です。一覧を受け取るのではなく、自分で作るのが現実的な解です。

SES企業でホワイト企業は?

「ホワイト」を定義しないと判定できません。 編集部の基準では、①商流が浅い ②分配(単価・マージン率・還元率の分母)を開示する ③待機時の給与保証が明文化されている ④みなし残業が月40時間未満 ⑤副業を禁止していない、の5点を満たす会社を候補として扱います。この5点は、いずれも本記事の手順で確認できるものだけを選んでいます。

SES業界で最大手はどこですか?

売上規模で「最大手」を確定できる公的な集計を、編集部は確認できていません。 SESは契約形態の呼称であり、業態としての売上を切り出して集計した統計がないためです。規模を知りたい場合は、上場企業であれば有価証券報告書で売上・従業員数・平均年間給与を確認できます。ただし規模は、あなたが配属される現場の商流とは別の話です(→「大手なら安心」も採用しません)。

SES企業は日本に何社ありますか?

SES企業だけを数えた公的統計は、編集部が確認した範囲では存在しません。 SESは会社の業種区分ではなく契約形態を指す言葉のため、統計上の分類として切り出されていないからです。近い数字を取るなら、労働者派遣事業の許可事業所は人材サービス総合サイトで検索できます。ただし準委任だけの会社は含まれないため、実数とはずれます。

SES企業かどうかの見分け方は?

求人票の勤務地の欄がいちばん早い判別点です。 「プロジェクト先」「顧客先」「配属先による」と書かれ、自社勤務の記載がない場合は、客先常駐を前提とした募集である可能性が高くなります。あわせて「帰社日」の記述、勤務時間が「配属先の規定に準ずる」となっている記載も手がかりです。確定させたいなら、手順3の「就業の場所の変更の範囲」を確認してください。

なぜSESはやめとけと言われるのですか?

SESという契約が悪いのではなく、商流の下層に固定されたときの待遇が批判の実体です。 最終下請の68.6%が資本金1,000万円以下、33.5%が不要な「中抜き」を実感しているという公正取引委員会の実数がその裏づけです。言われている理由を一つずつ検証し、辞める準備を始めるべき人・残ってよい人を軸別に線引きした記事がSESやめとけは本当か?40歳からの判断軸を公的データで検証です。

まとめ:一覧を探す時間を、引く時間に回す

  • SES企業の選び方は、優良企業の一覧を探すのではなく、公的名簿と法定記載から自分で判定するのが最短
  • 事業の制度は3つ。労働者派遣=許可(派遣法5条1項)/有料職業紹介=許可(職安法30条1項)/特定募集情報等提供=届出(職安法4条7項・43条の2第1項)。準委任(SES)だけの会社はどれにも載らず、載らないこと自体が「公開される数字がゼロ」という情報になる
  • マージン率の計算式は条文にある(派遣法23条5項)。当てる先は公的な集計値で、IT技術者の派遣料金34,382円・賃金21,032円=働く人の取り分61.2%(税込。令和6年度)。税の扱いを確認せずに数字を並べない
  • 求人票と労働条件通知書には**「就業の場所の変更の範囲」**が法定記載事項として入る(2024年4月〜)。常駐先が変わるSESでは、この1行が「どこまで飛ばされうるか」についての数少ない公式情報になる
  • 待遇を決める最大の変数は会社の規模ではなく商流。下請の担当工程は開発56.6%・要件定義5.5%(公正取引委員会・2022年)
  • 聞いても答えない項目があった会社は、条件が良く見えても評価を下げてよい

編集部の運営メンバーの職種はWebマーケティング領域で、SESエンジニアとして働いた経験はありません。だからこの記事は体験談ではなく、条文と公的データ、そして編集部が実際に公的サイトからデータを引いた手順だけで書いています。引き方は全部ここに置いたので、あとはあなたの会社名で試してください。

※本記事の制度に関する記述は一般的な情報です。自分の契約が準委任と労働者派遣のどちらに当たるか、明示義務が及ぶかといった個別の判断は、都道府県労働局や社会保険労務士等の専門家に確認してください。


参考・出典

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