40代転職の失敗パターン4つ|起きる構造と確認する項目

40代転職の失敗を4つの型に分けた図解
テックスカウト編集部

40代転職の失敗とは、転職の前と後で労働条件のどれかが悪い方向へ動き、その状態が続いていることです。気持ちの問題ではなく、前と後を並べれば確かめられる事象として扱います。編集部は、40歳前後で商流の下層にいるエンジニアに起きる失敗を4つの型に整理しました。

先に数字を1つ置きます。転職した40〜44歳のうち、転職によって労働時間が「増加した」人は33.4%、「減少した」人は32.2%で、増加した人のうち「3割以上増加」が15.5%でした(2020年・全産業)。

この記事では、4つの型それぞれについて、なぜ起きるのかという構造と、入る前に確かめられる項目を対にして示します。型に名前が付くと、避けられるものと避けられないものが分かれます。

40代転職の失敗とは、条件が悪い方向に動いたまま戻っていない状態

40代転職の失敗とは、転職の前と後を並べたときに、労働条件のどれかが悪い方向へ動き、その状態が続いていることを指します。時間・年収・担当する工程・雇用の切れ目という4つのうち、どれが動いたかで型が分かれます。動いたかどうかは、前と後の条件を並べれば数えられます。

先に、この記事が出す答えを3行で置きます。並びは本文の順番と同じです。

  • 失敗は4つの型に分かれる——労働時間が増える/年収の上がり方が決まっていない/入った後の担当工程が変わらない/決まる前に辞めて空白が伸びる
  • どの型も、本人の努力量ではなく仕組みの側で起きる——処遇の決め方、受け入れ側の体制、給付が始まるまでの期間は、いずれも本人の頑張りとは別のところで決まっています
  • 型ごとに、入る前に確かめられる項目が違う——「企業研究を徹底する」では、どの型に効いているのかが分かりません

40歳前後のエンジニアが置かれている構造そのものは、40代のキャリアを構造から扱った本編に置いてあります。この記事が受け持つのは、そこから先の「動いた結果、何が悪くなったのか」の1点です。

「失敗」と「後悔」は、別の言葉として使います

同じ「転職がうまくいかなかった」でも、事象と気持ちは分けたほうが打ち手が決まります。ここは混ぜないでください。

  • 失敗(本記事)——前と後を並べれば確かめられる出来事。労働時間が何割増えたか、担当工程が変わったかどうかは、記録があれば判定できます
  • 後悔——確かめようがない部分を含む気持ち。同じ条件でも、後悔する人としない人がいます

条件が悪化していないのに後悔することもあれば、条件が悪化していても納得している人もいます。本記事は前者を扱いません。

上位10件は、失敗を「人の側の特徴」として書いています

編集部は2026年9月2日に「40代 転職 失敗」の検索上位10件を調査し、見出し(h1〜h3)を全件確認しました。内訳は解説記事5件、個人の体験談2件、Q&A・掲示板の相談2件、動画1件です。10件の平均文字数は7,872字、平均見出し数は18.7でした。

数えた結果は次のとおりです。法令名・条番号を含む見出しは0件、公的統計の表番号や年齢階級別の数値を含む見出しも0件でした。一方で、失敗を人の側の特徴として並べる見出しは3件ありました(「失敗する人の特徴」など)。

編集部はここを変えます。人物像は自分で判定できないからです。「プライドが高い」「理想を追いすぎる」と書かれても、自分が当てはまるかどうかは本人には分かりません。

型1:労働時間が増える——40代前半だけ、増えた側に大きな幅が出ている

転職した40代前半では、労働時間が増えた人と減った人がほぼ同数で、増えた側にだけ大きな幅が出ています。厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」の個人調査 表14から引きます(表題は「性・年齢階級・事業所規模・現在の勤め先の就業形態、転職による労働条件(労働時間)の変化別転職者割合」。2021年11月8日公表・調査時点は令和2年10月1日現在)。

転職による労働時間の変化 総数 40〜44歳 45〜49歳
増加した 26.3% 33.4% 22.9%
うち3割以上増加 6.2% 15.5% 4.9%
変わらない 33.6% 33.9% 44.1%
減少した 39.3% 32.2% 31.9%
D.I. −13.0ポイント 1.2ポイント −9.0ポイント

上表は「不明」(総数0.8%・40〜44歳0.5%・45〜49歳1.1%)を省いているため、掲載した区分の合計は100%になりません。「うち3割以上増加」は「増加した」の内数です。

この数字には、読み方の条件が3つ付きます。第一に、この調査は全産業であり、IT・情報通信業に限定した統計ではありません。第二に、D.I.は労働時間では「増加した」が多いほどプラスに出るため、値が高いほど良いという読み方はできません。第三に、年齢と労働時間の増加のあいだに因果があると断定できる材料ではありません。

編集部が計算したところ、掲載されているD.I.は「増加した」の割合から「減少した」の割合を引いた値と一致しました(総数・40〜44歳・45〜49歳の3区分すべてで一致)。ただし概況本文がこの式でD.I.を定義しているかは、編集部が確認した範囲では見当たりませんでした。

転職による労働時間の変化を総数と40〜44歳で比較した横棒グラフ

なぜ起きるのか:年収を下げない条件が、母集団を狭めるから

家族と住宅ローンを抱えた40代は、年収を下げないことを最初の条件に置きます。編集部の見立てでは、この条件を先に置くと応募先の母集団が「いまの年収と同じ額を出せて、なおかつ人が足りていない場所」に寄ります。同じ額を出す理由が、任せる範囲の広さや稼働時間にあることは珍しくありません。

年収を守るという条件は正しい判断です。ただし守った分がどこかで支払われる可能性は、入る前に見ておく必要があります。

入る前に確かめる項目

  • 所定労働時間と休日の日数を、現職と応募先で並べて書き出す(単位を月と年でそろえる)
  • 時間外労働の有無と、直近の実績を面接で聞く。答えが「人による」で止まる場合は、何が違うと差が出るのかまで聞く
  • 求人票のどの欄に何が書かれているかを確かめる。欄ごとの読み方は求人票の欄ごとに会社側の記載を確かめる作業にまとめています

型2:年収の上がり方が決まっていない——入口の額より、入った後の決まり方を見る

情報通信業では、転職者の処遇を決めるときに「前職の賃金」を考慮する事業所の割合が、全産業の総数より高く出ています。同じ調査の事業所調査 表6「産業・事業所規模、転職者の処遇(賃金、役職等)決定の際に考慮した要素別事業所割合」から引きます。

処遇決定の際に考慮した要素 総数 情報通信業
これまでの経験・能力・知識 74.7% 81.0%
年齢 45.2% 54.2%
前職の賃金 25.3% 43.3%
免許・資格 37.3% (本記事では取得していません)
学歴 11.0% (同上)
前職の役職 5.5% (同上)

考慮した要素は複数回答のため、合計は100%を超えます。総数では「その他」が16.1%、「不明」が3.2%です。

読み方の条件を2つ付けます。第一に、情報通信業には放送業・通信業なども含まれ、SES・受託開発に限定した数値ではありません。第二に、これは事業所を単位に集計した数値で、本記事の他の節で使う個人単位の数値とは集計の単位が違います。両者を引き算したり、同じ表に並べたりはしません。

転職者の処遇決定の要素と採用時の問題を総数と情報通信業で比較した図

なぜ起きるのか:低い額のまま移ると、その額が次の基準として引き継がれるから

前職の賃金を考慮する事業所が一定数ある以上、いまの年収が低いまま移れば、その低さが次の入口の基準として持ち込まれることがあります。そして次に動くときは、今回の年収がまた基準になりえます。1回の転職で年収が動かないことよりも、決まり方が引き継がれることのほうが40代には重く効く、というのが編集部の見立てです。

なお、応募している最中に提示額が上がらないという話は、この記事の範囲の外にあります。求人要件・書類選考・年収提示・応募の母集団という4つの場所で何が起きているかは、書類と提示額の段階を市場の構造から読み解いた記事で分解しました。

入る前に確かめる項目

本記事が勧めるのは、入口の額ではなく入った後の上がり方を聞くことです。入口の額の読み方は上のリンク先が担当しています。

  • 昇給の決め方を聞く。等級や評価の区分があるのか、個別の交渉で決まるのかを確かめる
  • いまの提示額が、その決め方のどこに位置するのかを聞く。区分の中の下端なのか中ほどなのかで、次の2年の伸び方が変わります
  • 自分の値札(市場価値)を先に数字にしておく。手順は転職前後を比べるための出発点を数字にする手順にあります

型3:入った後の担当工程が変わらない——採用する側も、同じことを問題として挙げている

入った後の置き場が決まっていないという問題は、採用する側の回答にも出ています。同じ調査の事業所調査 表7「産業・事業所規模、転職者を採用する際の問題の有無、問題別事業所割合」から引きます。

転職者を採用する際の問題 総数 情報通信業
問題がある 84.1% 87.0%
応募者の能力評価に関する客観的な基準がないこと 38.8% 45.6%
採用後の処遇やキャリア形成の仕方 17.8% 38.0%
採用時の賃金水準や処遇の決め方 32.3% 37.4%
必要な職種に応募してくる人が少ないこと 67.2% 60.4%

総数では「特に問題はない」が12.4%、「不明」が3.6%です。問題の内容は複数回答で、上表は「転職市場に関する情報が少ないこと」(総数4.7%)などを省いています。情報通信業のこれらの区分の値は、本記事では取得していません。

この表にも条件が付きます。表6と同じく事業所を単位にした集計であり、情報通信業には放送業・通信業なども含まれます。数値は2026年9月2日に編集部が概況で確認したものです。

そのうえで編集部の読みを書きます。「採用後の処遇やキャリア形成の仕方」を問題として挙げる事業所の割合は、情報通信業で38.0%と、総数の17.8%を上回っています。入った後の置き場が決まっていない状態は、応募者だけが抱えている感覚ではないということです。

なぜ起きるのか:採る理由が「人手」で、置く場所が後から決まるから

必要な職種に人が来ないという問題を挙げる事業所は、情報通信業でも60.4%あります。人手が先に必要になった採用では、担当する工程が入社後の状況で決まることがあります。その結果、要件定義や設計を期待して移った人が、前と同じ工程を続けることになります。

これは移った先の会社が不誠実だからではありません。置き場を決める仕組みが用意されていないという、体制の問題として起きます。

入る前に確かめる項目

  • 入社後6か月と1年で担当する工程を、案件の名前と工程の名前で聞く。「配属先による」で止まるなら、置き場が決まっていない可能性があります
  • その工程を、いま誰が担当しているのかを聞く。空席なのか、増員なのか、引き継ぎなのかで見通しが変わります
  • 前任者が何年でその工程に移ったのかを聞く。年数そのものは判断材料になりませんが、動く仕組みがあるかどうかは分かります

なお、在籍年数を物差しとして使えるかどうかは、この記事では扱いません。年数と工程は別の話だからです。

型4:決まる前に辞める——空白の長さは、統計から見えない部分がある

離職してから次に就職するまでの期間は、公的統計では短く見えます。ただしこの数字は、転職できた人だけを集めたものです。同じ調査の個人調査 表20から、40〜44歳を引きます(表題は「性・年齢階級・転職活動期間の有無・現在の勤め先の就業形態、直前の勤め先を離職してから現在の勤め先に就職するまでの期間階級別転職者割合」)。

離職してから就職するまでの期間(40〜44歳) 割合
離職期間なし 27.2%
1か月未満 30.1%
1か月以上2か月未満 14.7%
2か月以上4か月未満 9.8%
4か月以上6か月未満 2.8%
6か月以上8か月未満 2.1%
8か月以上10か月未満 2.5%
10か月以上 3.7%
不明 7.1%

この表で外せない読み方を書きます。表が数えているのは、調査の時点で次の勤め先に就いている人です。辞めたあと調査の時点まで決まっていない人は、この表のどこにも入っていません。したがって「10か月以上は3.7%だから長引かない」とは読めません。

編集部が上位10件の見出しを確認した範囲では、この点に触れた記述は見当たりませんでした。期間の分布は、決まった人の中での分布です。

なぜ起きるのか:辞めてからの資金は、制度上すぐには入らないから

決まる前に辞めると、収入の空白がどれだけ続くかが自分の手を離れます。ここは条文で範囲が決まっています。条文は2026年9月2日にe-Gov法令検索で原文を確認しました。

まず待期です。雇用保険法21条は見出しを「待期」とし、基本手当は求職の申込みをした日以後に失業している日が通算して7日に満たない間は支給しないと定めています。

次に給付制限です。同法33条1項は、次のように定めています。

被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によつて解雇され、又は正当な理由がなく自己の都合によつて退職した場合には、第二十一条の規定による期間の満了後一箇月以上三箇月以内の間で公共職業安定所長の定める期間は、基本手当を支給しない。

読み取るべきは、期間を定めるのが公共職業安定所長だという点です。条文が示しているのは1か月以上3か月以内という幅であって、一律の月数ではありません。

支給される日数の側にも定めがあります。同法22条1項は所定給付日数を定め、算定基礎期間が20年以上は150日、10年以上20年未満は120日、10年未満は90日としています。これは一般の受給資格者の区分で、特定受給資格者などは別の条に定めがあり、本記事では扱いません。

制度の説明は一般的な情報です。自分がどの区分に当たるか、実際にいつからいくら支給されるかは、居住地を管轄するハローワークで確認してください。

離職から基本手当の支給までの期間を条文から整理した模式図

入る前に確かめる項目

  • 無給で何か月もつかを、月数の1つの数字にする。生活費の月額と、手をつけられる資金だけで計算する
  • 在職のまま活動できない理由があるかを書き出す。理由が「時間がない」だけなら、まだ辞める段階ではないと編集部は考えます
  • 自分の算定基礎期間を確かめる。20年以上と10年未満では、所定給付日数が150日と90日で異なります

4つの型に共通するのは、「前と後を並べていない」こと

4つの型はどれも、移る前の条件を記録していないと発生に気づけません。気づくのが遅れると、悪くなったのがどの条件なのかも特定できなくなります。作業の順番は1つだけ決めておきます。移る前に、いまの条件を紙に写してください。

失敗の型 なぜ起きるか 入る前に確かめる項目
①労働時間が増える 年収を下げない条件で探すと、母集団が「同じ額で人手が足りない場所」に寄る 所定労働時間・休日日数・時間外の直近の実績を、現職と並べて書き出す
②年収の上がり方が決まっていない 前職の賃金を考慮する事業所が一定数あり、低い額のまま移ると次の基準として引き継がれる 昇給の決め方と、いまの提示額がその決め方のどこに位置するかを聞く
③入った後の担当工程が変わらない 人手が先に必要になった採用では、置き場が入社後の状況で決まることがある 入社後6か月・1年の担当工程を、案件名と工程名で聞く
④決まる前に辞めて空白が伸びる 待期と給付制限があり、収入の空白が自分の手を離れる 無給で何か月もつかを1つの数字にし、算定基礎期間を確かめる
40代転職の失敗の型と、その構造と確認項目を対応させた3列の変換図

記録がないと、何が悪くなったのかも分かりません

編集部の運営メンバーにも、移る前の条件を書き出さないまま決めた経験があります(職種はWebマーケティング領域で、エンジニアの実務経験ではありません)。年収が上がったこと自体は覚えていても、労働時間や任される範囲が前とどう違っていたのかは、後から並べ直せませんでした。何が良くなり、何が悪くなったのかを特定できなければ、次の判断材料にもなりません。

失敗は、一度で終わるとは限りません

次も動きたいと答えた転職者の割合は、40代前半のほうが全体より高く出ています。同じ調査の個人調査 表23「性・年齢階級・事業所規模・現在の勤め先の就業形態、今後の転職希望別転職者割合」から引きます。

今後の転職希望 総数 40〜44歳
今の職場で今後も働きたい 52.7% 46.2%
機会があれば転職したい 21.0% 25.6%
わからない 24.9% 26.7%
不明 1.4% 1.5%

この数値も全産業で、IT・情報通信業に限定した統計ではありません。また「機会があれば転職したい」は希望であって、実際に動いたかどうかではありません。

短い在籍で辞めること自体も、40代前半では例外ではありません。同じ調査の個人調査 表12で、40〜44歳が直前の勤め先に勤めていた期間を見ます。「6か月未満」5.1%・「6か月以上1年未満」10.6%で、合計すると1年未満が15.7%です(合計は編集部の算出)。同じ40〜44歳の列のなかで最も高いのは「10年以上」の23.2%です。

そのうえで編集部の立場を書きます。2回目が起きること自体は問題ではありません。問題は、1回目に何が悪くなったのかを記録しないまま2回目に入ることです。

なお、そもそも動くかどうかをどう決めるかは、この記事の範囲の外にあります。動く前の判定と、動いた後に起きた事象は別の問題だからです。

何を最優先にするかで、先に潰す型が変わる

最優先にするものが違えば、先に確かめるべき型も変わります。編集部の立場を軸ごとに書き分けます。

  • 年収を最優先するなら——型2を先に潰してください。入口の額だけを見て決めると、決まり方のほうが次の転職まで引き継がれます
  • 時間や場所を最優先するなら——型1を先に潰してください。40〜44歳では「3割以上増加」が15.5%と、総数の6.2%より高く出ています(全産業)
  • 担当する工程を変えたいなら——型3を先に潰してください。移ること自体は工程を変えません。置き場が決まっているかどうかが分かれ目です
  • 家族と住宅ローンを抱えているなら——型4を先に潰してください。撤退できない状態で始めた活動は、条件の比較ではなく妥協になります

当サイトは、読者が転職サービスに登録したときに収益を得ています。それでも、失敗の話で不安を増やして登録を早めさせるつもりはありません。編集部が勧めるのは、動くかどうかを決める前に自分の値札を測っておくことだけです。市場からの反応を働きながら受け取る方法は、辞めずに市場側の反応を集め続ける経路にまとめています。

よくある質問

40代の転職で失敗する例は?

編集部は4つの型に整理しています。労働時間が増える、年収の上がり方が決まっていない、入った後の担当工程が変わらない、決まる前に辞めて空白が伸びる、の4つです。いずれも本人の努力量ではなく仕組みの側で起きるため、入る前に確かめられる項目が型ごとに違います。

40代で転職に失敗した人はいますか?

「失敗した人」として集計された公的統計は、編集部が確認した範囲では見当たりませんでした。確認したのは厚生労働省の令和2年転職者実態調査の概況です(2026年9月2日)。近い数字なら2つあります。転職した40〜44歳のうち労働時間が「増加した」人は33.4%、次も「機会があれば転職したい」と答えた人は25.6%でした(2020年・全産業。前掲・令和2年転職者実態調査の概況 個人調査 表14・表23)。

40代の転職に失敗したら人生終わりですか?

編集部は「人生終わり」という言い方を採りません。理由は2つあります。第一に、悪くなった条件を特定できれば、次に打てる手も特定できるからです。第二に、転職した40〜44歳のうち25.6%が「機会があれば転職したい」と答えており、移った先を最終地点として扱っていない人が一定数いるからです(2020年・全産業。前掲・令和2年転職者実態調査の概況 個人調査 表23)。

40代で転職に失敗して無職になったらどうすればいいですか?

まず、収入の空白がいつまで続く可能性があるかを制度の側から確かめてください。自己都合による退職では、待期(失業している日が通算7日。雇用保険法21条)の満了後、1か月以上3か月以内で公共職業安定所長が定める期間は基本手当が支給されません(同法33条1項)。所定給付日数は算定基礎期間により150日・120日・90日です(同法22条1項)。個別の適用は居住地を管轄するハローワークで確認してください。

40代の転職失敗が悲惨と言われるのはなぜですか?

言葉が結果の描写だけを指しているからだと編集部は考えます。悲惨という語は、何が悪くなったのかを区別しません。区別しないまま読むと、確かめられる項目まで「どうにもならないこと」に見えてしまいます。本記事が型を4つに分けているのは、確かめられる範囲を残すためです。

まとめ

  • 40代転職の失敗とは、前と後を並べたときに条件のどれかが悪い方向へ動き、その状態が続いていること。気持ちではなく事象として扱う
  • 型は4つ——労働時間が増える/年収の上がり方が決まっていない/入った後の担当工程が変わらない/決まる前に辞めて空白が伸びる
  • 労働時間は、40〜44歳で「増加した」33.4%・「減少した」32.2%。増加した人のうち「3割以上増加」は15.5%で、総数の6.2%より高い(2020年・全産業)
  • 処遇の決め方には産業差がある。転職者の処遇決定で「前職の賃金」を考慮する事業所は、情報通信業43.3%・総数25.3%(事業所単位の集計)
  • 入った後の置き場は、採用する側も問題として挙げている。「採用後の処遇やキャリア形成の仕方」は情報通信業38.0%・総数17.8%
  • 離職後の期間の分布は、決まった人の中での分布。決まっていない人は統計に入っていない
  • 辞めてから探す場合、収入の空白の一部は制度で決まっている。待期(失業している日が通算7日。雇用保険法21条)の満了後、自己都合の退職では1か月以上3か月以内で公共職業安定所長が定める期間は基本手当が支給されない(同法33条1項)
  • 今日できること:いまの労働時間・年収・担当工程の3つを、日付を付けて1枚に書き出す

移る前の条件を記録している人は、悪くなったものを名指しできます。名指しできれば、それは次の確認項目になります。4つの型に名前を付けたのは、そこまで持っていくためです。


参考・出典

  • 厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」(2021年11月8日公表・調査時点は令和2年10月1日現在・事業所調査9,149事業所/個人調査5,530人)。本記事で用いたのは次の6表。個人調査 表14「性・年齢階級・事業所規模・現在の勤め先の就業形態、転職による労働条件(労働時間)の変化別転職者割合」(総数・40〜44歳・45〜49歳)/個人調査 表20「性・年齢階級・転職活動期間の有無・現在の勤め先の就業形態、直前の勤め先を離職してから現在の勤め先に就職するまでの期間階級別転職者割合」(40〜44歳)/個人調査 表23「性・年齢階級・事業所規模・現在の勤め先の就業形態、今後の転職希望別転職者割合」(総数・40〜44歳)/個人調査 表12「性・年齢階級・現在の勤め先の就業形態、直前の勤め先の通算勤務期間階級別転職者割合」(40〜44歳)/事業所調査 表6「産業・事業所規模、転職者の処遇(賃金、役職等)決定の際に考慮した要素別事業所割合」(総数・情報通信業)/事業所調査 表7「産業・事業所規模、転職者を採用する際の問題の有無、問題別事業所割合」(総数・情報通信業)。個人調査の数値は全産業であり、IT・情報通信業に限定した統計ではありません。事業所調査の数値は産業別の内訳から情報通信業の行を用いていますが、情報通信業には放送業・通信業なども含まれ、SES・受託開発に限定した数値ではありません。事業所調査と個人調査は集計の単位が異なるため、両者の数値を引き算していません。表12の「1年未満15.7%」は編集部の算出です: https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/6-18c-r02-gaikyo.pdf (2026年9月2日に編集部が概況の当該箇所を確認。6表すべて、問いの形を変えて2回取得し一致を確かめています。目視でのページ確認は行っていません)
  • e-Gov法令検索 雇用保険法(待期=21条/所定給付日数=22条1項〔一般の受給資格者。算定基礎期間20年以上150日・10年以上20年未満120日・10年未満90日〕/給付制限=33条1項): https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116 (2026年9月2日に編集部が原文で確認。33条1項は問いを変えて2回取得し、起点=21条・下限1箇月・上限3箇月・定めるのは公共職業安定所長の4点が一致することを確かめています)


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