「40代エンジニアは使えない」の正体|採用側が見る3つの基準

「40代エンジニアは使えない」の正体を採用側の3基準と商流構造の3層で示した図解
テックスカウト編集部

「40代エンジニアは使えない」の正体|採用側が見る3つの基準

「40代のエンジニアは使えない」——この言葉を裏づける公的統計は存在しません。開発系職種(プログラマー・システムエンジニア)の在職者の平均年齢は37.1歳です。情報通信業の一般労働者の平均年齢は40.2歳(いずれも厚生労働省の統計・2025年6月分ベース)。エンジニアの中心は、すでに40歳前後にあります。

ただし、採用側が40代の書類と面接を厳しく見る点はあります。編集部は、それが①経験の言語化、②成果の再現性、③技術を更新した証拠の3点だと考えます。この記事では、採用側として延べ100人以上と面接してきた編集部メンバーの経験と公的データで、「使えない」というラベルの正体を分解します。問われているのは年齢ではなく、17年の経験が「同じ1年を17回」に見えていないかどうかです。

「40代エンジニアは使えない」とは何を指す言葉か

「40代エンジニアは使えない」とは、年齢による能力の低下を指す言葉ではありません。採用側が中途採用で必ず確認する3つの基準——経験の言語化・成果の再現性・技術を更新した証拠——を、書類や面接で確認できなかったときに貼られるラベルです。

つまりこの言葉は、あなたの17年ではなく、その17年の見え方に付いています。見え方が決まるのは職務経歴書の数枚と面接の限られた時間です。だから実力が同じでも、評価は大きく振れます。

「使えない」を裏づける統計も、否定する統計も存在しない

先に、編集部が確認できたことと確認できなかったことを分けて書きます。

  • 確認できた事実:開発系6職業(プログラマー・各種システムエンジニア等)の在職者は、平均年齢37.1歳・平均年収578.5万円です(job tag)。数値は厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査ベースです。この6職業は在職者データが完全に同じ値で表示されます。job tag側に説明はなく、同一の調査区分を共有しているためだと編集部は見ています。産業側でも情報通信業の一般労働者の平均年齢は40.2歳です(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」・2025年6月分)
  • 確認できなかった事実:「40代エンジニアは使えない」を裏づける公的統計は存在しません。同時に、これを正面から否定する職種固有の統計もありません。年齢別の中途採用実績・採用時評価を示す政府統計は、編集部が確認した限り公表されていません

したがって編集部は、「40代は使えない」も「40代でも余裕」もデータでは断定できないという立場を取ります。断定できるのは、在職者の平均年齢が37.1歳である以上、「エンジニアは35歳で終わる」という35歳定年説の前提が統計と噛み合っていないことだけです。

なお編集部は2026年8月、「40代 エンジニア 使えない」の検索上位20件を独自に調査しました。内訳は次のとおりです。

コンテンツの型 件数
企業メディアの解説記事 7件
個人ブログ・note等の体験談 6件
Q&Aサイトの相談 4件
採用側視点のコラム 1件
調査リリース 1件
動画 1件

**採用側の評価基準を扱った記事は1件だけで、公的統計の実数を示した記事はほぼありませんでした。**この結果は、読者の不安と採用現場の実像がほとんど接続されていない状態を示しています。だから本記事は、採用側の視点から書きます。

採用側が「この人は難しい」と判断する3つの基準

**採用側が40代の候補者を見るとき、判断は「スキルの有無」ではなく「その人の経験を自社の仕事に置き換えられるか」で決まります。**置き換えの判断材料が、次の3基準です。

ここは編集部の経験を根拠にした整理です。編集部メンバーは採用側として延べ100人以上と面接し、マネジメント職として採用・育成にも従事してきました。職種はWebマーケティング領域が中心でエンジニア採用の専門ではありませんが、40代の中途採用で見るポイントは職種が違ってもほぼ共通していると編集部は見ています。以下は公的統計ではなく、この経験に基づく編集部の見方です。

次の表の質問と答えは、その見方を伝えるために編集部が組み立てたです(特定の面接での実際のやり取りの記録ではありません)。

基準 採用側の質問(例) 「難しい」と判断される答えの例 通る答えの例
①経験の言語化 この17年で何ができるようになりましたか 「Javaの保守と改修をやってきました」(担当の羅列) 「基幹システムの改修で、影響範囲の切り分け手順を作って障害を減らしました」(役割と判断が入る)
②成果の再現性 その成果は、うちでも再現できますか 「現場のやり方に従っていました」 「同じ手順を別案件でも使い、2件目は立ち上げを短縮できました」
③技術更新の証拠 直近1年で新しく身につけたことは何ですか 「特にありません。案件が忙しくて」 「業務でコード生成AIを試し、テストコード作成の一部を置き換えました」
採用側が40代エンジニアを評価する3基準の確認フロー図

基準1:経験を「言語化」できるか

最初に落ちるのは、スキル不足ではなく説明不足です。「保守・改修を担当」「詳細設計を経験」といった担当工程の羅列は、採用側から見ると誰の経歴か区別がつきません。20年目の人と5年目の人の職務経歴書が同じ書き方になっていれば、経験年数の差は評価に反映されません。

採用側が探しているのは、あなたが下した判断です。何が問題で、何を選び、何を捨てたか。この3点が1行でも入っている経歴は、面接に呼ぶ理由になります。

経歴は書き方で通過率が変わります。編集部メンバーは転職活動で書類通過率8割超を記録しています(職種はWebマーケティング領域です)。これは職務経歴が特別だったからではなく、書き方の設計によるものだと編集部は考えています。

基準2:成果に「再現性」があるか

**次に見られるのは、その成果が「その現場だから出たもの」なのか「あなただから出たもの」なのかです。**採用側は自社で同じことが起きるかを知りたいので、成果が偶然や環境に依存していると判断した時点で評価を止めます。

再現性の証明は難しくありません。同じやり方を2回以上使っていれば、それは手順です。1回しか使っていないなら、「なぜうまくいったか」を説明できれば足ります。逆に、「言われたことを期限内にやってきた」だけの17年は、再現性の証明ができない17年になります。ここが「同じ1年を17回」と読まれる分岐点です。

基準3:技術を「更新」した証拠があるか

**3つ目が、40代でいちばん差が出る基準です。**採用側が年齢に対して抱く懸念は「能力が落ちる」ではなく、「学び方が止まっていて、新しい環境に合わせられないのではないか」という点に集中します。この懸念を消すのは、資格の枚数ではなく直近の行動です。

ここで、40代にとって好都合な公的データがあります。総務省「令和8年版情報通信白書」(2025年度調査)によると、生成AIの利用経験率は20代78.2%に対し40代は49.0%。さらに、用途別に見たプログラムコード生成AIサービスの利用率は日本の個人全体で7.0%にとどまります(米国35.4%。同じ日本の個人でテキスト生成は55.0%)。企業側も、生成AI活用に必要なスキルを学ぶ環境があると答えた日本企業は39.9%(米国62.7%)です。

なお、この白書の数値はインターネットアンケート(登録モニターからの抽出)による調査で、住民基本台帳等に基づく無作為抽出ではありません。企業調査の対象は「従業員10名以上かつ2025年までにデジタル化の取組を開始した企業の管理職以上」に限られます。数値は幅を持って読んでください。

7.0%はエンジニアに限定した数値ではなく、日本の個人全体を対象にしたものです。エンジニア限定のコード生成AI利用率を示す公的統計は、編集部が確認した限り公表されていません。それでも、個人全体ではテキスト生成55.0%に対しコード生成が7.0%という偏りがあり、学ぶ環境がある企業も39.9%です。この2つを重ねると、コード生成AIを業務で使い倒した経験の供給は開発現場でもまだ薄いと編集部は推定しています

編集部は「AIがエンジニアを不要にする」とは考えていません。コード生成用途の利用率が7.0%という水準で、そう断定できる材料がないからです。むしろ供給が薄いうちに実務で使った経験を積むことは、需給データの上で分の良い賭けだと考えます。20代の78.2%と張り合う必要はありません。生成AIを使ったことがない同年代——40代の51.0%(編集部算出)——との差を作るほうが、はるかに現実的です。

「積む」ものを選ぶ基準は、値札(市場価値)が動くかどうかです。この判定の考え方はエンジニアの市場価値を公的データで実測する手順のガイドにまとめています。

3基準が満たせないのは、能力ではなく商流の構造が原因

ここが本記事の核心です。40代で3基準の材料が手元にない最大の原因は、怠慢ではなく「上流工程が構造的に回ってこない場所にいた」ことです。

公正取引委員会の実態調査(2022年6月公表)は、下請事業者が主に担当する工程を次のように示しています。

主に担当する工程(1つ選択・法人n=2,589) 回答した下請事業者の割合
開発(プログラミング)工程 56.6%
設計工程(外部設計・内部設計) 20.6%
ユーザーへの提案・要件定義 5.5%

出典:公正取引委員会「ソフトウェア業の下請取引等に関する実態調査報告書」(2022年6月29日。法人回答n=2,589)

読み方の注意を1つ添えます。これは「主に担当する工程を1つ選ぶ」形式の設問への回答割合です。したがって5.5%は「ユーザーへの提案・要件定義を主担当と答えた下請の割合」であり、「要件定義に関与できる企業の割合」ではありません。関与はするが主担当ではない企業は、この5.5%に含まれません。

同報告書は、多重下請構造についてこうも記述しています。「多重下請構造下では再委託の都度、中間マージン等が差し引かれるため、下層に行くほど受注金額が低くならざるを得ない」。さらに、最終下請では68.6%が資本金1,000万円以下の零細企業です。

この数字が意味することは明快です。提案・要件定義を主担当とする下請が5.5%にとどまるなら、下層で17年働いた人が「判断を下した経験」を本業として積める機会は構造的に限られるということです。基準1の材料(判断)も、基準2の材料(手順の再利用)も、決まった仕様を作る工程だけを回していると溜まりません。

  • 単価が3年上がらないのは、技術が3年止まったからではありません。単価の原資が商流の上で先に削られてから届くためです(→SESの単価が給与になるまでの流れを公的データで追った解説)
  • 「40歳なのに要件定義もマネジメントも未経験」は、あなたの選択の結果ではなく配置の結果です
  • 配置の問題は、反省では解決しません。移動で解決します

商流の全体像とカネの流れはSESという業態の仕組みと商流を解説した記事、40代の戦略の全体像は40代エンジニアの生存戦略をまとめた総合ガイドで扱っています。

下請事業者が主に担当する工程は開発56.6%に対しユーザーへの提案・要件定義は5.5%であることを示す横棒グラフ

それでも採用側が40代に慎重になる、価格と椅子の話

**採用側が40代に慎重なのは能力を疑っているからではなく、40代の椅子が「高い椅子」しかないからです。**ここは読者に都合の悪い事実も含めて正直に書きます。

情報通信業の年齢階級別の所定内給与(月額・一般労働者・男女計)は、40〜44歳45万6,800円 → 45〜49歳49万1,700円 → 50〜54歳49万1,300円と推移します。50代前半でいったん横ばい〜微減を挟み、最も高いのは55〜59歳の51万6,300円です(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」第5-1表・2025年6月分)。一方、job tagが示すシステムエンジニア(受託開発)の求人賃金は月額35.2万円(令和6年度職業安定業務統計ベース)です。

ただし、この35.2万円はハローワーク求人の平均提示額です。情報処理・通信技術者はハローワーク経由の就職が有効求人の約0.9%にとどまるため(厚生労働省「一般職業紹介状況」令和8年3月分。比率は編集部算出)、スカウト・エージェント経由の提示水準を代表する数字ではありません。

調査も対象も異なるため単純な差額計算はできませんが、在職40代の賃金水準は、ハローワーク求人の平均提示額より上にあります。そして採用側から見れば、40代を採るとは「若手より高い人件費を払って、その分だけ高い役割を任せる」判断です。だから求められるのが即戦力性と、人を動かせるかどうかに寄ります。「使えない」の多くは能力評価ではなく、値段と役割の釣り合いに関する評価です。

情報通信業の年齢階級別賃金カーブ(50代前半で横ばい〜微減を挟み55〜59歳が最高)とハローワーク求人賃金35.2万円を重ねたグラフ

需給の偏りも職種区分で違います。job tagの有効求人倍率(令和6年度)は、組込み・IoT系SEが4.77倍、受託開発・Web系SEが2.57倍です。一方、プログラマー区分は0.94倍で、開発系のなかで唯一1倍を下回ります。同じ「エンジニア」でも入口の広さは同じではありません(区分ごとの求人内訳は公表されていないため、この差から未経験可求人の多寡までは断定できません)。

もうひとつ、40代を追い詰める事実があります。年齢階級別の転職入職率(全産業・2024年・厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」)は、男性で25〜29歳15.1%に対し40〜44歳は6.8%。40代は「転職できない」のではなく、実際に動く人が20代後半の半分以下しかいない年代です。成功例が身近にないぶん、「40代は無理」という空気だけが濃くなります。

よくある誤解の整理:「使えない」と言う人が本当に言っていること

読者が勘違いしやすい3点を、誤解→実際→根拠の順に並べます。

よくある誤解 実際 根拠
年齢が上がると能力が落ちるから使えない 能力の年齢低下を示す職種統計はない。開発系の在職者の平均年齢は37.1歳、情報通信業の賃金カーブは50代前半で横ばい〜微減を挟み、最も高いのは55〜59歳 job tag/令和7年賃金構造基本統計調査の概況(2025年6月分)
上流経験がないのは本人の努力不足 ユーザーへの提案・要件定義を主担当と答えた下請は5.5%(主担当を1つ選ぶ設問)。上流経験は努力より配置で決まりやすい 公正取引委員会(2022年)
「使えない」と言われたら市場価値が低い証拠 「使えない」は特定企業の特定ポジションに対する不採用理由であり、値札の測定値ではない 編集部の見方

3つ目を補足します。**採用の不合格は、市場価値の測定結果ではありません。**不採用の理由には、予算、既存メンバーとの構成、上司の年齢、時期といった、あなたの実力と無関係な要素が大量に混ざります。1社の判断を自分の値札と読み替えるのは、1軒の内見で家の相場を確定させるのと同じです。

編集部が最も反対するのは、自分で自分に「使えない」を貼ってしまうことです。それは測定ではなく、測定の放棄です。

「使えない」を外すためにやること(3ステップ)

**やることは反省ではなく、材料の棚卸しと実測です。**在職中に、この順で進めてください。

  1. 3基準で棚卸しする——まず直近5年の案件を3つ挙げます。それぞれに「何を判断したか」「同じ手順を再利用したか」「その過程で新しく覚えたことは何か」を1行ずつ書き出してください。書けない案件があっても構いません。書けない事実こそが、次に何を取りに行くかの答えになります
  2. 値札を実測する——公的相場(年齢×職種の賃金統計とjob tag)で座標を確認し、スカウトサービスに職務経歴を置いて市場が付ける値札を観測します。測り方の全体像はエンジニアの市場価値の測り方ガイド、スカウトの仕組みと40代での使い方はスカウト型転職の仕組みを報酬構造から解説した記事にまとめました。転職の意思が固まっていなくても測ってください。数字は現職での単価交渉・評価面談の材料にもなります
  3. 軸を決めて換える——実測結果の使い道は軸ごとに言い切ります。年収を最優先するなら、下層での昇給待ちより商流を上る転職(元請・一次請け・ユーザー企業の社内SE)のほうが期待値が高いと編集部は考えます。環境や時間を最優先するなら、自社内勤務や案件替えで整える判断も合理的です。現職に大きな不満がないなら、測った値札を社内交渉に使って動かないのも十分に正しい選択です

順番を守ってください。**測る前に辞めるのは、相場を見ずに持ち家を手放すのと同じです。**転職入職者の賃金変動は、全産業で「増加」40.5%・「減少」29.4%です(2024年・前掲・令和6年雇用動向調査結果の概況。IT限定の数値ではありません)。動けば下がるのが普通という通説は、この統計と合いません。それでも、上がる保証がないことも同じ数字が示しています。だから実測が先です。

なお、当サイトは読者が転職サービスに登録すると収益を得る立場です。それでも登録を急かしません。急かされた判断は、あなたの軸ではなく他人の都合で下されるからです。

よくある質問

40代のエンジニアに求められるスキルは?

採用側が最初に見るのは特定の言語やツールではなく、経験を言語化できること・成果に再現性があること・技術を更新している証拠の3点です。そのうえで技術面では、上流工程(要件定義・基本設計)の経験、チームを動かした経験、そして供給が薄い領域のスキルが評価されやすくなります。供給の薄さは実測で判断してください。たとえばコード生成AIの利用率は日本の個人全体で7.0%です(令和8年版情報通信白書・2025年度調査。インターネットモニター調査で無作為抽出ではありません)。

40代のエンジニアが転職する理由は何ですか?

公的統計で見ると、2024年の転職入職者(全産業・男)で最も多い理由は「その他の個人的理由」20.2%、次が「その他の理由(出向等を含む)」13.5%です。これらを除くと、順位は次のとおりです(厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」。IT業界に限定した内訳ではありません)。

  1. 定年・契約期間の満了 14.1%
  2. 給料等の収入が少なかった 10.1%
  3. 職場の人間関係が好ましくなかった 9.0%

編集部が2026年8月に検索上位20件を調査した際は、当事者の書き込みで次の3つが繰り返し語られていました。経験年数の割にスキルが積み上がらないこと、上流工程に関われないこと、契約終了への不安です。いずれも本記事で述べた商流構造から生まれる動機です。

40代エンジニアが生き残るには?

順番は「測る」が先です。市場価値を実測してから、①商流を上る、②職種を固定して身を置く業界を選び直す、③需給の偏った旬のスキルを積む、の3手から自分の軸に合うものを選びます。3手の具体的な進め方は40代エンジニアが生き残るための手順を解説した記事にまとめています。

40代未経験からエンジニアになるのは無理ですか?

無理と断定できる統計はありませんが、簡単でもありません。job tagのプログラマー区分の有効求人倍率は0.94倍(令和6年度)で、開発系のなかで唯一1倍を下回ります。編集部は、現在の年収を維持したい40代には、在職のまま学習と小さな実務で適性を確かめる進め方を勧めます。

40代のエンジニアの平均年収は?

職種側の統計では、開発系6職業の在職者の平均年収は578.5万円(平均年齢37.1歳・job tag)です。産業側では、情報通信業の40〜44歳の所定内給与が月45万6,800円で、単純に12倍すると年548万円になります(賞与を含まない編集部算出。前掲・令和7年賃金構造基本統計調査の概況・2025年6月分)。同じ40代でも、担う工程と商流の位置で数百万円の幅が出ます。

まとめ

  • 「40代エンジニアは使えない」を裏づける公的統計は存在しない。開発系の在職者平均年齢は37.1歳、情報通信業の平均年齢は40.2歳で、40代は市場の中心にいる
  • 採用側が実際に見ているのは3基準——経験の言語化・成果の再現性・技術を更新した証拠。落ちる理由はスキル不足より説明不足であることが多い
  • 3基準の材料が手元にない原因は商流の構造。ユーザーへの提案・要件定義を主担当と答えた下請は5.5%(公取委・2022年。主に担当する工程を1つ選ぶ設問)。配置の問題は反省ではなく移動で解決する
  • 更新の証拠は今から作れる。生成AI利用経験率は40代49.0%(20代78.2%)、コード生成AI利用率は日本の個人全体で7.0%(いずれもインターネットモニター調査)。供給が薄い領域で経験を積むほうが分がいいと編集部は考える
  • 「使えない」は不採用理由であって、値札の測定値ではない。1社の判断を自己評価に読み替えず、3基準で棚卸しして実測に進む

40歳を越えて「自分は使えないのではないか」と検索した時点で、あなたは自分の見え方を疑う準備ができています。限界があるのは年齢ではなく、40歳まで値札を一度も測ってこなかったことのほうだというのが編集部の立場です。今日できるのは、直近5年の案件を3つ書き出すことと、値札を測り始めることだけです。動くか動かないかは、数字を見てから決めれば間に合います。

※本記事の統計・制度に関する記述は、記載の一次資料に基づく一般的な情報です。個別の労働条件・契約・転職の判断は、勤務先の規程や求人条件を確認のうえ、必要に応じて労働局・ハローワークなどの公的機関や専門家に確認してください。


参考・出典

  • 厚生労働省 job tag(職業情報提供サイト)プログラマー・システムエンジニア(受託開発)ほか各職業ページ https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/313 ほか(開発系6職業の平均年齢・平均年収・求人賃金・有効求人倍率。2026年時点の掲載内容。在職者データは令和7年賃金構造基本統計調査、求人データは令和6年度職業安定業務統計に基づく)
  • 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」第5-1表ほか(第5-1表・第5-2表・第6-3表・第13表。数値は2025年6月分) https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2025/dl/14.pdf (情報通信業の平均年齢・年齢階級別所定内給与)
  • 厚生労働省「一般職業紹介状況」令和8年3月分 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyujin/index.html (情報処理・通信技術者の有効求人と就職件数。有効求人に対する就職件数の比率は編集部算出)
  • 公正取引委員会「ソフトウェア業の下請取引等に関する実態調査報告書」(2022年6月29日) https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2022/jun/220629_sw_03.pdf (下請事業者が主に担当する工程〈1つ選択・法人n=2,589〉/中間マージンに関する記述/最終下請の資本金構成)
  • 厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」(2025年8月公表) https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/25-2/dl/gaikyou.pdf (年齢階級別転職入職率/転職入職者の賃金変動/転職理由)
  • 総務省「令和8年版情報通信白書(概要)」 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r08/summary/summary01.pdf (生成AIの年代別利用経験率/コード生成AIサービス利用率/生成AI活用スキルを学ぶ環境の整備状況。2025年度調査。インターネットアンケート調査〈登録モニターからの抽出で無作為抽出ではない〉。個人は日本1,236件、企業は日本515件で、企業調査の対象は従業員10名以上かつ2025年までにデジタル化の取組を開始した企業の管理職以上)

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